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    ある夜の日への応援コメント

    素晴らしかった。最初、上流階級層は家庭内教育を重んじた……そういうインテリなお話しかと思いきや、されどタイトルはリンドバーグよろしくの『パリの灯』

    一体、うぉーけんさんは何を描いたのか。

    それは次第に、中盤以降から明かになる戦争の足音と共にハッキリと伝わってきました。


    イギリス空軍ならでは、フランスならでは、軍、地政、慣習が織り混ぜられた秀逸な文。これを支える確かな深い知識。

    絵に描いたような工作員、スパイではなく、秘密文章を運ぶ事を主任務にする彼女たちの役割。ゲシュタポやナチ、そしてこれから迎える孤独の恐怖がよく分かりました。


    開傘。衝撃。ぐんと身体が持ち上がる。突然不可視の怪腕につまみ上げられたようにすら思えた。降下速度が急減する。飛行帽からはみ出たアッシュ・グレイの髪が舞い踊った。全身で勢いを殺していたというのに、圧力に眼球がまろびでそうだ。華奢な肉体を構成する、全身の骨がぎしりとなった。

    この、キャノピーを開けた瞬間から伝わる暴力的な風、航空燃料の燃えた臭い、戦争の香りがバシバシと伝わり、夜空に身を投げる彼女の思いと『何故、このタイトルなのか』を克明に描き出す素晴らしい物語でした。

    ブラボー