第12話 出向の出向?

【こちらに入室時間等をご記入ください】


【はい】


 みさについてきたけど、なんか凄い設備だ。

それにしても気が重いな…謝ろう、誠心誠意…


【こちらでお待ちください。担当者お呼びします】


 この待ってるのも、辛いんだ…本当に。俺のミスでこうなってしまって、みさが可哀想…


あの人が担当者が…きれいな女性…っとそんなことより謝る。とにかく…みさが、立ち上がり…


【さきさん、ご迷惑おかけしました】


 さきって言うのか…みさにさき…合わせて…

みさき…???俺も、謝ろう…


【すみません、私のミスでご迷惑おかけしました】


さきさんが、


【みさ、誰?新人さん?あなたが指導担当?】


 き、きつい、きついよ、その言い方。奇麗だけど、凄く仕事出来るって感じ…苦手だー。


みさが、丁重に、


【はい、私が…それより、納期遅延発生してしまいます。どうお詫びすればいいか…】


【ミスは誰にでもあるけどね、ちょっと状況が状況で…進捗確認してないこっちもいけないんだけど】


 そこへ、男性が、ダンディって言葉がよく似合う雰囲気の男性がきて、


【さき、慌ててたから気になってきたけど、どうかした、大きな問題か?】


【所長、時空解析装置のユニットが1/10程度しか間に合いません。検査も必要ですし…】


【そうか…それは…で、どれくらい遅れる?】


みさが、


【約1ヵ月程度かと推測されます。申し訳ございません】


所長は、


【うーん、そうか…それまで代替えで対応するか、不安定なんだよなー、セッティングも難しい…】


さきさんが、


【それに、所長、人員足りませんよ…検査員不足しますよ】


【機器が使えればな〜、この測定器特殊だから…】


 何かおおごとに…まいったな…ん?その測定器、俺よく使っていたな。懐かしい…俺は、みさに…

小声で、そっと…


【みさ…その測定器俺使える…】


【はると、ほんと?それ、突破口かも!】


さきさんが、


【何こそこそ話してるの?】


みさが、


【うちの新人、はるとと言います。その測定器得意だそうです】


 みさ、得意って言うなよ、使えるって言ったけどさ。ハードルあげるなよ。


所長が、


【はるとくん、本当か!助かる。うちにはこれ、限られた人しか使えなくて困っていたよ】


さきさんも、


【所長、これでめど、立ちますね】


話がよく見えないが、俺はここに来るの?


みさが、


【こちらは大至急不足分製作に入ります】


さきさんが、


【みさ、新人さん連れてきてくれてありがとう!】


【じゃ。はると、明日からよろしく】


さきさんが、去っていき、所長が、


【はるとくん、頼むね】


【はい…ある程度は測定器使えますので】


【ありがとう、では明日9:00に】


 勝手に決められたよ。俺のミスだけどさ。とりあえず帰っていろいろ準備だ。マニュアル持ってたかな。捨てちゃったかも…


みさは、喜び、


【はると、ありがとう!ほんとに救世主】


【そんな、大袈裟だよ】


【帰りにアイスコーヒーでも飲んでいかない?】


【いいね!】


 みさ、デートって感じになるのかな?二人でね。そう思うと緊張する。


【さきさんってね、言い方きついけど、凄く熱心で、悪い人では無いからね】


【俺、出向の出向って、なるんだね?】


【悪いけど、この窮地救えるの、この方法しかなくて、お願いね、はるとさん…】


何か照れる…はるとさんって言い方。


【みさ、モテるでしょ、彼氏と長いの?】


【私、彼氏いないよ】


な、なんだとー!みさに彼氏がいないなんて?


【私のこと、興味あるの?はると】


【あっ、ごめん、みさってモテるって聞いたから】


【りなが勝手に言ってるだけだよ、そんなにもてないよ。はると、誰かいい人いない?彼氏欲しいなー

はるとみたいな人がいいなーって、そんなこと言っちゃ駄目だね】


き、緊張〜、みさの、その雰囲気で言われると…

















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