第7話 慌ただしい月曜日
【すみません…二週続けて…遅刻…】
りな、すぐに返してくれないんだもんなー。こんなこと二度とするなとか、説教長すぎ…もうすぐ昼だよ。
素直に謝ろう!それしかない。嘘ついても言い訳しても何もならない。すると課長は、
【ちょっと会議室へ】
【はい…】
あー、何か言われる!りなを守るため、駄目だ。
何も言い訳しないでおこう…
【遅刻だけどね…】
【はい、すみません。言い訳ありません】
【違うんだよ、良くやったね!君】
何を?何でそうなった?
【君が騒ぎを起こした…失礼、君が今朝立ち寄った会社はうちの最大手の取引先だよ。そこからの受注を専属で請け負えることになってね。急だったからその理由を聞けば、とうやら今朝、君が社内の問題を解決したとのことじゃないか。内容は全て聞いたよ。おめでとう。君に担当してほしいって】
そうだったの?取引先?知らなかったよ。そういうこと、りなも言わないんだもんな〜。
【あの〜、すみません。遅刻は?】
【遅刻?そんなのいい。この取引先は大きいぞ。それでだ、早速これから挨拶に行こうと。もちろん君にも来てもらうよ。担当だからね。あと、毎週のミーティング後に発注数決めるから月曜日の朝、そこに立ち寄り頼むよ】
【………毎週ですか…】
【何だ、不満なのか?】
【いえ、大丈夫です】
【さぁ、忙しくなるぞ!準備出来たら行くぞ】
はー、参ったなー。毎週月曜日早いじゃん。りなと出勤出来るのは嬉しいけど。日曜日の夜ふかしは禁止だ。課長に連絡が入り、
【挨拶行くの中止!すぐ会議室に行って。私も後から行く。さっき話したお客様お見えになった】
またまた急展開。近いとはいえ、あの上司が来てるのか。
急ぎ会議室へ、すると、
【はると、お疲れー】
なんで、りながいるんだ?もしかして担当?
【やぁ、先程はありがとう。うちの社員を守ってくれて】
【いえ、こちらこそ。お騒がせしました。それと、受注の件ですが…いいのですか?うちで?】
【おっ、欲がないねー。私の権限でね。前々から御社にとは思っていたからね。これも何かの縁かな?無理そうかな?受注量調性してもいいが…】
【いえ、大丈夫です。ありがとうございます】
【それとね、君が担当になってくれるのは有り難いが、受注量からして、ほぼ専属、いや完全専属でお願い出来ればと。そうしないとこなせる量でないからね。それに、あれだろ?君もりな君のそばにいたほうが安心だろ?】
【はい。それはそうですが…出向となると課長に確認しないと、ならないので】
突然、後ろから、
【承知いたしました。こちらは問題ありません】
か、課長?勝手にそんな…俺は。
【りな君、良かったな。旦那さんと同じ職場になったぞ。いちゃつきながら出勤出来るぞ】
【そんな、なんてこと言うんですか?それに旦那ではありませんって言いましたよね?彼氏になったばかり…って聞いてます?】
既にりなの会社の部長と課長が契約について話してる。りなのこと何も聞いてない。
課長が、
【あっ、お客様と契約について打ち合わせするから、りなさんでしたね?うちの社内見学でもしていってください。あと、こいつは好きなだけ使ってやってください】
何ということを!好きなだけって、俺の意見は?
反対は無いけど。何より、りなを目の前で守れるってのは大きい。有り難いな。
俺はりなを連れて案内。たいした案内は出来ないけど、とりあえず同僚に言わないと。
【はると、そちらの美女さんは?】
【えー、可愛い。はるとさんのお客さん?】
騒いでる。りな、そんな風に見られるのか?
【えーと、今度俺の出向先の…ってお前ら聞いてる?何近づいてるんだよ】
【はるとのお客様ですか?俺は前に駅で…痛っ!】
俺は思いっきりファイルで引っ叩いた。近すぎ!
【はると、お客様?幼なじみって…あー痛っ!】
りなが、
【はると、いきなり引っ叩くことないよ。大丈夫ですか?すみません。はると乱暴で…】
【いえ、あなたのような美脚さんに心配されると、嬉しくて…痛みなんか…あっ痛っ!痛いって!】
俺は耳をひっぱり、離した。美脚って言ったな。
【お前な、俺の彼女なんだからな、近づくな】
こいつ。油断も隙も…痛っ!いて…なんだよ。りな
【はると、解るでしょ?これ、結構痛いよ】
解った、解ったよ。おー、いてて…耳取れるかと。
女性社員が、クスクスと…
【はるとさん、やるー、こんな素敵な女性を】
【はるとさんって、奥手かと思っていたのにー】
【いい夫婦って感じ!はると、尻に敷かれるタイプ】
まだ結婚してないっての!
【はるとの職場、女性社員多いね…】
【そう?普通じゃない?りなのとこは男性社員のほうが多いかな?】
【りなさんですか?俺がはるとのことしっかり見張ってますんで安心してください】
お前出しゃばるなよ!見張られる筋合いない!
【ありがとうございます。お願いしますね】
りな、お前も男に優しすぎ。俺には厳しいくせに。
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