屋根裏のドーナツ

O.K

第1話:自宅での恐怖体験

ある小さな町に住む主人公、夏美は毎朝の習慣として、近所のパン屋から美味しいドーナツを買って朝食に食べることにしていました。彼女は気の合う友人たちと、ドーナツを楽しみながら賑やかな朝を過ごすことが日課となっていました。


ところが、ある日を境にして変わったことが起こり始めました。夏美はいつものようにパン屋でドーナツを買って帰宅し、友人たちと楽しい朝食を楽しむのですが、なぜか必ず1つのドーナツが余ってしまうのです。最初はただの偶然かと思いましたが、続けて数日、そして数週間も同じことが続くと、彼女は不思議な気持ちになり始めました。


一度や二度ならば気に留めなかったかもしれませんが、日々続く余ったドーナツの数は増えるばかりです。最初のうちは友人たちとの楽しい朝食がその余ったドーナツを包み込んでくれるような気がしていましたが、次第にそれは不安に変わっていきました。


ある晩、夏美は気になってしまった余ったドーナツを使って、その日の晩飯を賄おうと考えました。しかし、それはあまりにも後味の悪い体験でした。余ったドーナツを食べた瞬間、彼女は異様な感覚に襲われました。まるで誰かに見られているような錯覚があり、気味の悪さと恐怖が彼女を襲ったのです。


翌朝、夏美は嫌な気持ちを振り切ろうとしていましたが、今度は余ったドーナツが消えていることに対する不安が頭をよぎりました。何が起こっているのか理解できず、彼女は友人たちに相談しましたが、皆が首をかしげるばかりでした。


不安に苛まれる日々が続き、夏美は誰かに助けを求めることを決意しました。ある日、夏美は町の老婦人から、かつてこの家に住んでいたとある家族の悲劇を聞かされました。それは長い間語り継がれてきた不気味な話で、その家族が何者かによって屋根裏に閉じ込められていたというのです。


その話を聞いた夏美は、屋根裏に何かがいるのではないかと考え始めました。そして、自分が住む家の屋根裏に何かが潜んでいるのではないかという恐怖に怯えるようになったのです。


夏美は勇気を振り絞って屋根裏を調べてみることにしました。昼間、夏美は懐中電灯を手に取り、屋根裏へと上がりました。暗くて狭い空間に足を踏み入れると、彼女は不気味な雰囲気に包まれました。


そこには古びた家具や謎めいたアイテムが散らばり、長い間使われていない様子がうかがえました。そして、ふと目が留まった隅に、夏美は驚愕の事実を目の当たりにしました。そこには、まるで人が住んでいたかのように見える生活の跡がありました。使い古された寝床、食器、そしてなんと、彼女の食べ残したドーナツの袋が置かれていたのです。


夏美は恐怖に震えながらも、自分の家に忍び込んで暮らしている何者かがいることを悟りました。何日も何週間も余ったドーナツは、この屋根裏に住む謎の人物が夏美の存在に気付かれないように、彼女の気を引かせないようにして消費していたのです。


恐怖と怒りがこみ上げる中、夏美は警察に通報しました。そして、屋根裏に潜む謎の人物が逮捕されたと聞かされたとき、彼女の胸からはひとしずくの安堵の涙がこぼれました。


しかし、この出来事以降も夏美は朝食にドーナツを食べることができませんでした。あまりにも恐ろしい体験をしたせいで、彼女の朝は以前のように賑やかではなく、何かが見え隠れする不気味な雰囲気に包まれるようになったのでした。

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