非常階段を使う。

俺は、非常階段を使い、滑るように階下へ向かう。


着地したときには、ヒロコとミナコが牽制し合いながら体育館を目指していた。


体育館までは1直線


俺はポケットからSSAを取り出し、スイッチを入れる。

途端に背後に1.5mほどに大きくなった、「消しゴムシューター」Aタイプ。


昔、車の消しゴムをはじくためだけに開発されたキャップを

人間をはじくために改良されたものだ。


『ここで、出たー!4組フミヤの「消しゴムシューターDX」!これは体への負荷が大きく、1度しか使えない禁断の文具だ!』


もうどうなってもいい。

とにかく優勝したい。


「GO!」


俺のかけ声とともに、超強力なバネが俺を弾き飛ばす。

ヒロコとミナコの間をすり抜け、体育館の入り口をくぐり抜けた。


問題は着地だ。

彼さえ上手くやってくれれば・・・・



バフン



よかった。


この文具を使うには、着地点にクッションを設置してくれる協力者が必要だった。


その大役を担ったのが、

タカハシさん。

スポンサーの。


『優勝は、4組のサトウフミヤです!全国のみなさん!今年の優勝はサトウフミヤです!』


うれしさと安堵で、意識が遠のいた。


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卒業式


https://kakuyomu.jp/works/16817330660879705729/episodes/16817330660885441535


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