第17話 連絡先 ~実嬉編~

碧彩はいい意味でヤバい子だった。途中入部の私にも優しくしてくれたし、勉強だって教えてくれた。誰にでもニコニコしていて、みんなをまとめて、誰よりも部活が大好きで一生懸命で。そんな碧彩がカナを怒らせた。部長決めのアンケートでカナの名前を書く人を拒否した。私は別に誰が部長でも良かったから、いいよって言ったけど、碧彩は自分が1番部長に向いてると思う人に票を入れたいから嫌だと言ったらしい。碧彩らしいなと思った。自分の信念を曲げないところが。そこから、カナを筆頭に無視するようになってだんだんそれが楽しくなってきて。悪口を言って盛り上がって。しばらくして、前みたいに話せるようになったけど、誰も碧彩に謝りはしなかった。そのまま、高校に入って硬式テニス部に入った。4月の終わりの大会に力試しでエントリーして、プログラムに碧彩の名前を見つけた。テニス部に入ったんだと思った。でも、碧彩はその大会を棄権した。その後の大会では、名前すらなかった。だから、なんでか少し気になっていた。そんなときにカナから連絡が来た。ちょうどいい機会だと思った。だから、碧彩の高校まできた。それなのに、あった途端ピタッと止まって笑顔が消えた。カナの声を聞いた瞬間に。先輩たちに連れて行かれて、由衣環先輩たちがこっちにきた。なんで…。ちょっとくらい話させてくれてもいいじゃん、碧彩。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る