どうすれば? こうすれば!

もはや立て直しは不可能だ

“こうすればいいんだ”とわかってしまった

どこの誰がその玉座に座ろうと変わらない


どうして誘惑に囚われないと言える?

マスコミを恫喝しマスコミに忖度させ

工作員を雇って至るところで活動させ

それで“うまくいく”ことがわかってしまった

彼女がそうしないだなんて誰が言える?


例えば彼よりももっと酷い有り様になっても

あなたにそれを批判する余地は、ない


一度決まったことを変える、ということが、物凄く大変

一つのアイディアに固執してはいけない

ということじゃなくて、その時点でいろいろ利権が絡むから


“自分も経験者だから”自分には教育を語る資格があると思い込んで

あるいはシスジェンダーのゲイがトランス女性を語ったり

専門家も多種多様なのに“専門家”の言ってることなら何でも信じる

思考のコスパが酷い


“私の出番のようだな……”と

何か起こればみんなインターネットに書き込みを

みんな、みんなが自分の話を聞いてくれると思ってるのね

表に出てくることもなく


そういう諸々の要素をうまく調合させた彼

“どうすればいいのか”に対して

“こうすればいいんだ”と道を指し示して“しまった”

それでも僕らがまともな人間なら犯罪を糾弾できたのだけど

僕ら、政治が嫌いだから


政治とは生活そのもの

“生きる”ということそのもの

政治的ではないものなど存在しない

なのに“音楽に政治を持ち込むな”

そしてそれに違和感すら浮かばない

みんな冷笑するか、ほったらかしか


“熱い”のってなんかウケる

“私は政には興味がない”

政治が破綻しているのだから

それなら生活だって


––––しかしそもそもみんな忙しいから

仕事に家事に育児に勉強にくたくたで

目の前のこと以外にとても関心が持てない

俺には、とてもみんなに政治に関心を持てとは言えない


という悪循環は止まらないわけだから

だから

おしまい

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