あ、くまだ

九JACK

 皆さんこんにちは。

 こんなところまで来てくださって、私、とても嬉しいです。

 いや、お前誰だよ、と言われますと……ちょっと霊感があって、まかり間違って悪魔を召喚してしまったというだけのごくごく普通の女子高生です。特技はお裁縫。料理は絶賛勉強中です。

 はい? 今の自己紹介におかしいところがありましたでしょうか?

 はあ……まかり間違って悪魔を召喚してしまったのをごくごく普通とは言わないと。ああ、そうですか。やっぱり、そうなんですね。

 いえ、ごめんなさい。泣いていません。私はちょっぴり現実逃避したくなっただけなんです。


 私、小さい頃から、幽霊とか、妖怪とか、なんだか普通じゃないものが見えるみたいで、それでみんなから遠ざけられて見事ぼっちライフを送ることになった者なんです。ええ、悲しいほどにごくごく普通(自称)なんです。

 そんなぼっちライフに終止符を打つべく、強い決意を持って高校に入り、霊感を隠しつつ、趣味・特技を生かせる"手芸調理部"という部活に入ったんです。

 順風満帆のJKライフが待っていると信じて止まなかった私は気づきもしませんでした。

 その部活に入ったことが運のつきであることに。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る