第154話 ダンジョン2日目
目を覚ましたらもふもふでした。おはようございます。あったかいいい。
〈おはようディア〉
〈あぁ。寒くないか?〉
〈さむい〉
〈素直だな〉
寝袋みたいな布団に入ったままディアに包まれてぬくぬく。昨日はご飯を食べた後すぐ眠くなっちゃったんだよね。
「起きました?おはようございます」
「おはようございます。はやいですね」
もぞもぞしてたらユシリスさんに声をかけられた。ずっと起きてたのか本を読んでたみたい。
「一応交代で見張りを。」
「えっわたし見張りしてない。ディアもいるし…」
「子どもに見張りさせるわけないだろーがよ。それと警戒の相手は人間含めてだ。立ち入り禁止にしてても突っ込んでくるバカはいる。」
「あぁ…。悪い冒険者。」
「そゆこと。」
ユシリスさんと話してたらガイトさんがあくびしながら起きました。おはようございます。
「ディアだけじゃダメなの?」
「潰さない程度の手加減が上手ければな。」
〈ディアさん?〉
〈最近は上手くなったと思うがな〉
うん、ちょっと苦手なんだね。強いもんね。
訓練でみんなとぶつかってる時は?と思ったけど、敵意のある人間を潰さず無力化するのが苦手らしいです。確かに難しいかもしれないけど、潰すって表現はどうなの?
「ご飯の準備していい?」
「頼む」
「僕もやるよー」
「あ、おはようフランクさん」
ディアさんはもふったら朝ごはんの準備をします。と言っても、軽くパンとスープだけ。お肉を入れた具だくさんスープだから満足感はあると思う。
「昨日と同じ様に進むが、下層に行くにつれて魔物は強くなる。無理せず休憩をとって、安全優先で行くからな。」
「わかった。」
「疲れたら言うんだよ?」
「うん。ありがとう」
ガイトさんから今日の探索について聞いて、アルダさんから優しく頭をぽふぽふされた。足手まといにならないように気をつけながら出来ることをしようと思います。
「食ったらここを出るから片付けろー」
布団をしまうだけで準備完了。
〈今日もよろしくね〉
〈あぁ。ずっと乗ってて疲れないか?〉
〈私は疲れないけどさ。ディアは背中痛くない?重くない?〉
〈全く問題ない。羽みたいに軽いぞ、もっと食え〉
〈それならよかったけど。羽は嘘です。〉
〈リンは羽も同然だ。〉
〈なんだとー!!〉
「はい、
「はーい」
ディアに乗りながらもふもふわしゃわしゃしてたらナリアルさんに頭をぽふっとされた。でも怒ってるわけじゃないみたい。みんなが笑ってました。
みんなの準備が完了したらレッツゴー!ここは7階で罠の階。セーフティゾーンから出たら鑑定さんのお仕事です。
そこまで難しい怖い罠はないから、鑑定しながら絵を描いていけば問題ない。すぐに下に続く階段があったし危険もなかったです。
8階目に降りてすぐ。目の前は変わらず洞窟なんだけど、なんか違和感があった。なんだろ?
「どした?」
「んー?」
「すごい不思議そうな顔してる。」
「この階何か違和感があって。今までの洞窟と何か違う気がするんだけど、違いが分かんない。」
カルダさんが隣にきて、ほっぺを突いてきた。そんな顔に出てたかな。
〈天井の高さだろ〉
「えっあ、ほんとだ!今までよりちょっと天井高いんだ。すごいねディア」
「それに気付くリンちゃんがすごいと思うけどね」
なんか呆れ顔のカルダさん。なぜだ。
「天井が高いということは、その大きさの魔物がいるってこと。昨日より強いやつがいると思うぞ。」
「あ、身長制限。」
「ある意味正しい。が、気が抜ける言い方するな」
「はーい」
今まではウルフか大きくてもオーク。そこまで大きくないし魔物が動きにくそうな印象は無かった。ってことは、出てくる種類によって洞窟も変わるんだね。すごい便利。
「早速お出ましだぞー、リンは鑑定したらすぐカルの後ろに隠れろ。ディアはリンの前で警戒、カルは結界張ってて」
「わかった」〈承知〉
うわぁー!ゴーレムだよゴーレム、これぞって感じのどでかいゴーレム!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前 ストーンゴーレム
特徴 石でできた魔物。土魔法を使うこともある。
備考 (ダンジョンにしかいないTheファンタジーのやつ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
とりあえず鑑定したら下がってディアから降りてカルダさんの後ろに行き、大人しくしてる。
目の前には巨大なゴーレムが3体。カルダさん以外の全員が出撃してます。
ユシリスさんて魔法特化型なんだね。雰囲気はナリアルさんに似てるけど、戦い方はカルダさんぽい。
「わりーそっち飛んだ!」
「はいよー」
の声と同時にガンッと硬いものがぶつかる音がした。ぶつかった場所はたぶん結界。ぶつかったのはゴーレムの切れ端?かけら?だと思う、たぶん。
剣で的確に関節を切ってバラバラにしていく。魔法でもっとバラバラにしていく。連携がすごいです。
「おわりだー!」
最後はガイトさんの一太刀で崩れ落ち、消えていった。消えちゃうのもったいないな。
「ただの石だったからドロップも特にないな。」
「石じゃないのもいるの?」
「もっと下層ならたぶんアイアンがいる。あとは激レアで希少金属のゴーレムかな、滅多にいないから幻って言われてる。」
アルダ先生の授業でした。
レアってあれかな、ミスリルとか。そんなの倒せる気がしないね。
その後はゴーレムとオーガに出くわした。オーガは人形の角がある鬼っぽい魔物で、オークよりデカかった。そしてあのデカさなのに攻撃が早かった。身体強化が使えるんだって。厄介なやつ。
無事に8階をぬけて難なく9階の罠ゾーンをぬけ、少し休憩をしたら10階におります。
降りて後悔した。
「むりむりむりむりむり!」
「急に弱気だな!?」
「絶対にむりいやだカルダさん結界張って近くにいて遠くにいかないでー!」
「大人しくしようか。」
「ん~~~」
ほんとにむり。いやだ帰りたいディアどうにかして近づかないでむりむりむり!
ダンジョン探索初、リンちゃん大暴走案件の発生なのでした。
いったい何が出たのでしょうね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます