仲間の補助魔法士の補助魔法が弱すぎて補助魔法を補助する補助補助魔法士をしていた攻撃魔法士、無能と言われ追放される前に補助補助抜きでのダンジョン探索を試してもらった所、パーティが壊滅したので救助に向かう

 C級冒険者パーティ〈豊穣の月〉に所属する〘攻撃魔法士〙のリーン・フィフスは、ある日突然、パーティからの追放を言い渡される。

 B級以上の高ランクを目指す上で、弱い【攻撃魔法】しか使えない彼は邪魔だというのだ。


 しかし、リーンが強力な魔法を使えないのは、パーティリーダーで〘補助魔法士〙のプラン・シーボルトの未熟ゆえだ。

 強敵との戦闘中はリーンが自分の本業と並行し、【補助魔法】を重ねがけしていたのである。


 リーンの抗議を受け、冒険者ギルド併設の訓練所で「補助の補助」の有無による動きの差を確認した面々は、概ね彼の主張を理解。

 とは言え、彼の代わりにリーダーのプランを追放するわけにもいかなかった。


 魔法士は自身の〈魂の魔法書〉に保存できる枠数以上の魔法を、同時に扱えない。

 〘攻撃魔法士〙が【補助魔法】を使うには枠数を多く使用するが、リーンは安全のためにも必須だと意見を曲げなかった。

 〈豊穣の月〉は仕方なく、試験的に、彼の代わりに別の〘攻撃魔法士〙を加えたメンバーでのダンジョン探索に挑戦。

 敢え無く強敵に敗走し、ダンジョン内で遭難してしまう。


 救助要請を受け取ったリーンは緊急と判断し、ギルドの救助隊編成を待たず、1人でダンジョンへ突入する。

 【攻撃魔法】を全て枠から外し、速度と体力、隠密に振り切った【補助魔法】だけを携えて。

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