冒険者資格を剥奪されたおっさん、鹿角で視知覚を高めれば重火器と互角に戦えると発覚し、旧格を排して冒険事業に参画する
かつて王国最強の一角と称されたベテラン冒険者ジン・クレイン。
若い頃は〘弓聖〙と称えられた弓の名手だったが、寄る年波による視力低下から、低ランクの狩猟依頼ですら失敗することが増えていた。
冒険者ギルド職員もジンの活躍を知らない世代が大半を占め、ギルドマスターの代替わりと共に、ジンは遂に冒険者資格を剥奪されてしまう。
途方に暮れたジンは、拠点としていた王都を出て、故郷の村に帰ることに。
その途上で鹿の魔物〈ミツメジカ〉に襲われていた薬師の老翁を助けたことで、彼の人生に転機が訪れる。
薬師からの礼として、退治した鹿の角から作られた漢方薬。
一般的な鹿角は強壮、補腎、消炎、聴力改善や皮膚再生などの効能を持つが、〈ミツメジカ〉の角はそれらに加えて、視知覚の向上効果もあるという。
ジンの視力は見事に改善、それどころか全盛期をも上回る遠近視力、動体視力、魔力視を獲得することになる。
故郷の村に帰った彼は、なんと村を襲撃する魔物と戦う領主軍を目にし、自らも参戦。
ジンの協力もあり、〈ガトリングゴブリン〉や〈コボルトハウザー〉、〈モーターウサギ〉といった凶暴な魔物の群を撃退した領主軍。
英雄として迎え入れられたジンだったが、聞けば、現在地元の男爵領には魔物討伐を担う冒険者ギルドが存在しないという。
昨今の冒険者ギルドは平時に採算の取れない地域から撤退することも増え、魔物に滅ぼされた町村も少なくない。
ジンは軍を率いていた領主から、冒険者ギルドに代わる新たな組織を作るよう依頼される。
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