日常③

目覚ましがなる前に目を覚ました。あの後、寝たのは深夜の三時頃だったので三時間程度しか寝て居ないが、たまには仕事に行く親父を見送ろうと思い一階に降りる。


「おはよう。紗季さん。親父。」


「あ、翔太くん、おはよう。今日は早いわね。」


「おお、翔太。珍しいなこんな時間に起きてくるなんて。」


リビングに入ると、紗季さんは俺たちの弁当を作っていて、親父はスーツを着て朝ご飯を食べていた。


「なんか目が覚めちゃってさ。」


「そうなのね。先にご飯食べる?」


「後でいいかな。皆で食べたいし。」


ここ二日は主に俺のせいで一緒にご飯を食べることがなかった。だから、一緒に食べたいと言っても可笑しくないだろう。


「いいなぁー。僕も一緒に食べたいな。」


「辰馬たつまさん今から仕事でしょ。早く行ってらっしゃい。」


親父が紗季さんに見捨てられ項垂れながら、仕事の準備をしていると、目を擦りながら眠たそうに降りてきた。


「海結、おはよう。」


「翔太くん!?おはよう!ちょっと待ってて!」


寝起きで寝癖のついていた海結に挨拶を交わすと、焦って洗面所に行った。訳が分からず首を傾げていると、紗季さんが、


「女の子はそういうものだから、分かってあげてね。」


と、言ってきた。


「は、はぁ。なるほど。」


意味はないと思うが分かった振りをする。寝癖を整えて戻って来た海結と、親父の出勤のタイミングが被ったので、見送りに行く。


「行ってきます。」


少し寂しそうに家を出ようとする親父に声をかける。


「父さん。いつも仕事頑張ってくれてありがとう。今日も頑張って行ってらっしゃい!」


俺が言うとどこか嬉しそうにしていた。


「お父さん。仕事頑張ってね。」


「辰馬さん。お仕事頑張って。行ってらっしゃい。」


海結と紗季さんもそれに続いた。


「翔太と海結ちゃんも、仲良くして学校頑張るんだぞ。行ってきます!」


手を振って出ていった親父に、玄関のドアが閉まるまで手を振って見送った。親父を見送るのは、小学五年生の時以来だ。


「翔太君ってちょっと素直に鳴ったよね。」


「え?」


「お母さんもそう思うわ。いい顔になったものね。」


「やめてよ!恥ずかしいから。ほら、早くご飯食べよ。」


海結と紗季さんに褒められ?て恥ずかしくなって、リビングに戻り椅子に座る。俺は、元々素直な性格のはずだと思うけど。


「海結ちゃんと翔太くんは、ちゃんと仲直りできたの?」


朝ご飯を食べ始めたところで、紗季さんが言った。


「心配しなくて大丈夫だよ。ちゃんと仲直りしたからね。今日は一緒に登校するんだもん。だよね翔太くん。」


「ああ、そうだな。約束だからな。」


「そう、なら良かったわ。」


会話をしながらゆっくり食べていたら、時間が迫ってきていたので、急いで準備をする。

俺たちの準備が終わって、学校に行くときに紗季さんも見送りに来てくれた。


「行ってらっしゃい。」


「行ってきます!」


声を揃えて言い、学校へと飛び出して行った。

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