第3話 あかり
「あっははははw」
「また派手にやったね…痛そう」
湊くんがビニール袋に氷を入れてそれをタオルで包んだ物で頬を冷やしてくれる。
冷却材の冷たさが頬に
「もう~ほんとびっくりしたんだよ!恵子さんにあんな事言うのやめてよね!こはくちゃん!」
『………善処する』
恵子さんに頬を平手打ちされた後、私は従姉妹の
今は、平手打ちされた頬を冷やしている。
「あっははw」
さっきから私の頬を見て笑っている男は
私の遠縁の親戚で、私と同い年。
「ひーっ笑いすぎて腹痛てぇw」
『…さすがに笑いすぎじゃない?』
少し棘を含んだ声で私は言った。
この部屋に来て私の
湊くんはため息をついて、一誠は笑いだした。
「恵子さんってこはくちゃんに厳しいよね~」
「ね、そう思わない?湊くん」
結愛ちゃんは自分の腕を湊くんの腕に絡める。
「…そうだね」
結愛ちゃんは6歳の頃から湊くんのことが好きだ。友達としてとかじゃなくて、
私はなぜか2人のことを見ていたくなくて、壁に掛けてある時計を見た。
『あ、もう2時…』
「ん、こはくちゃん仏間行くの?」
『うん、行ってくる』
「いってらっしゃ~い」
「いってらー」
私は3人に手を振ったあと、部屋の外に出て
私は毎日午後2時になると、仏間にある
なぜお参りをするかというと、理由は特にない。小さい頃からおじい様とお参りをしていたらいつの間にかそれが習慣になっていて、お参りをしないと何となく落ち着かない。
ただそれだけ。
スゥー···タン
仏間の襖を開け中に入った。
仏壇の前に行き、
蝋燭の火を線香に移す。
線香を
仏壇に向かって手をあわせる。
おりんがなり終わった後、手を合わせるのを止め蝋燭の火を手で仰いで消した。
(よし湊くんたちのところに戻ろう…)
私は立ち上がり、襖に向かって歩いて行く。
すると
バンッ────
『っ…なに?』
音のした方を見ると、御先祖様の写真を額縁に入れて壁に飾ってあったものの1つが落ちていた。
私は額縁を拾い壁に額縁をかけようとする、
すると─────
ゴトッ
額縁の後ろの部分が外れ、ノートが出てきた。
『なんで、ノートがこんなところに…?』
落ちてきたノートを拾った。
そのノートはシンプルな茶色のデザインで鍵がついている。
名前が書かれていないか確認するために、ノートを裏返しにした。
私は驚きの余り目を見開いた。
『
ノートの裏には
私の母の名前が書かれている。
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