第17話

そして、1ヶ月後、もうすぐ私達は卒業式になる。


私達3人はしっかり合格して、これから新しい高校で今度こそやり直す筈だった


ーーーー

教室の3階 あのストラップが無くなったと言っていた場所


「最低だよ、花ちゃん」


「・・・っ」


今、冬が私を見て、とてもひどい顔をしている。


優は殺意が溢れ出る程に私を睨んでいる。


「本当に、違うの優!!私はあれからストラップのこと一切知らなかった。」


「じゃあ、なんで春ちゃんのバックから粉粉になった、ストラップが出てくるの」


「そ、それは誰かが入れたんだよ。」


私は気付いた。最近冬は優と距離が近かった。そしてあの日、ストラップが消えた時は冬が転校してきた頃だ。


「違うよ、優!!冬が、冬がこうしたんだよ」


「そんな、訳ないだろう。だって俺は冬と付き合ってるんだから」


「えっ」


そ、そんな嘘でしょ。


優は私を睨むそして、チラッと冬が笑った顔が見えた。


「優、本当に私じゃないんだよ。信じて」


「冬は、あの時見たって言っていた。今更嘘はつけないぞ。それに恋人の冬がそんなことをする訳ないだろう」












絶望を感じた。


ずっと、ずっと苦しかった。優と別れた時、優を虐めてた時、優が妹ちゃんのところに行く時、

ずっと、ずっと辛かった。その時もよりもよっぽど辛い。



優に信じられないこと、優が取られることはこんなに辛かったんだ。


そして優もあの時ら、こんなふうに思っていたのだろうか、


いや違う、優は大切なお母さんと、妹ちゃんが居なくなってもっと辛かった。



「信じれるか!もう何度も、裏切られて苦しめられたか」


「そうだね」


「なら、私がこれから嘘じゃないって証明するよ」


「どうやって」


もう、迷いはなかった。





「嘘でしょ」


「はー!」



ずっと、ずっと羨ましかったんだよね。どこまでも大切にされる妹ちゃんが、


私もずっと、ずっとあなたの重みになって欲しい。これからも私のことを何度も思い出してほしい。



私は早く落ちるて筈なのに、視界がすっごくゆっくり見える。

あ、優だ。


凄く心配して、驚いて辛そうな顔をしている。上手くいったんだ、良かった。最後は証明出来たみたいだし、最後くらいは私のことを少しでも思ってくれてるみたいなんだ



やっぱり嫌だな、これが最後なんてもっと優と居たなかったな。


 あの時は3人で合格して、今度こそ、優と仲直りして、優と一緒にまた付き合って。


冬のことも一人にしないで3人で遊ぶ、そんな毎日を望んでたのに、





押し倒したり、もっと別なやり方で無理矢理証明すれば良かった。



「花ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


何より、もっと優と


二人で付き合っていたあの時へ


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