第15話

冬視点


私はストラップを返してあげようと思った。けどそれは私らしくないなとも思って、何よりそれだと彼から好感度を低くするだけ、


まだこの切り札は取っておくべきだと思った。


それに


「花ちゃんって優と幼馴染なんだよね。」


「そうだよ」


「昔のこと教えてよ」


「えぇ、」


「これは、春の為だよ」


「私の?」


「そうだよ、優のことを私が知っておけば、それをきっかけに誘いやすくなるかも」


「確かに、」


好きな人の過去は当然全部知りたいよね。


それにライバルから得られることはさっさと取って捨てればいい。


そして、好きな食べ物とかエピソードとかまんまと教えて貰った。



「へぇ、それじゃあ、春も同じ高校行こうと思ってるんだ」


「私も目指そうかな、同じ所」




この時はまだ知らなかった。


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