リンク先記事内容より

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月刊■■7月号 夏の奇談特集怪談師■■■■による談話より


【かもしれない】


Tさん一家はボロ家に住んでいた。家は祖父が生前、手作りで建てたのだという。

近所に有名な心霊スポットもあったせいで、周りからは幽霊屋敷と呼ばれていた。

同級生からは揶揄われたりもしたのだが、Tさんは何だかんだこの家が好きだった。


この家は手作りの為不便な所が多く、部屋の壁が薄かったり、電灯が無い等、多々あるのだが、一番不便な場所は浴室であった。

浴室には何故か井戸があり、その井戸の上に壁、井戸の半分が屋外、もう半分が浴室内にあるという歪な造りになっていた。

井戸には蓋をして、物置台として使用しており、使うことは全く無い。

昔からTさんは父に口酸っぱく言われていた。

「危ないから、井戸の絶対蓋は外すなよ」


Tさんが中学生の頃、この家も流石に古すぎるし、耐久性に問題があるとの事で引っ越そうという話が持ち上がった。

両親が色々と相談した結果、建て替えると言うことはせずに、別の土地を探して新しい家を建てると言う事になった。


引っ越しに向けて家の片付けを始めていたある休日。

「そういえば、井戸の中って見たことないな」

ふと気になった。

一度気になると、ずっと頭から離れない。

ちょうど両親も外出していた為、Tさんは井戸の蓋を開けてみることにした。

怒られても片付けをしてたと言い訳すれば良い。

すぐに浴室に向かい、蓋を開けた。

面白い物でもないかなと懐中電灯で照らしてみるが、暗くて何も見えない。

少し物足りなく感じるも、井戸の中を見れた事に満足し、蓋を閉めようとした時、井戸の中から何かが聞こえる事に気が付いた。

耳を済ませると、それは犬の鳴き声のようだった。

まさか、と思い再度井戸の奥を照らすが、何も見えない。

更に集中して聞いてみると、どうやら声は犬だけではない。

猫だったり、虫だったり、様々な声や音が聞こえてくる。

気味が悪くなり、すぐに蓋を閉めて浴室から逃げ去った。


その夜、井戸を覗いたことを入浴後の父に気付かれ、Tさんはこっ酷く怒られた。


「危ないから開けるなって言っただろ!」


一通り怒られた後、父が呟くように言った。


「聞こえたろ?地元の人らの色んなもんが捨てられてた井戸なんだ。だから溜まってるんだろう。もう引っ越すんだし忘れろ」


父が子供の頃も祖父から同じように注意されていたらしい。

その後、父の口から井戸の話が出ることは無く、Tさん一家は新しい家へ引っ越した。

Tさんは、井戸の奥から動物の声に混じって子供の声が聞こえていた事について、今も父に話すことはできずにいるという。





【怪談師■■■■インタビュー内容】


この話を聞いて、ボロ屋の近隣住民にも取材した時、やっぱり皆さん良い顔してませんでしたよ。

でもね、私等みたいな怪談を集めてる奴等はその反応が好きなんです。

だって、本当に気持ちの良くない何かがあるって事なんですから。

この家、現在はもう取り壊されているみたいですね。実際に見てみたかったなぁ。

ただね、あの井戸も一緒に取り壊されたみたいでして。

こんな時って、色々なもんはどうなるんでしょうね。


―――


サイト「こわいはなしあつめました」を調べていて見つけたこの話。

SNSで情報提供を求めたところ、似た話を知っているという方と接触することが出来ました。

直接お会いすることは出来なかったので、DMでのやり取りをしたのですが、その時に聞くことができたお話です。

※できるだけやり取りしたままの情報を載せていますが、読みやすいように一部編集しています



【◯◯さん情報】


この有名な心霊スポット、多分〇〇県にある〇〇〇〇のことだと思うんです。

近くにお化け屋敷と言われている場所もありましたし。

私が知っているのはその心霊スポットの話なんですけどね。

ここ、実は何かを祀っているところらしいんです。小さな祠があるらしいんですね。

それで、この場所には女性の霊が出るらしいんですよ。

何でも、髪が長くて、目の焦点が合わないような顔をしているらしくて、見たら正気ではいられないようです。

病院へ入院してしまう人もたくさん出たらしいですよ。

でも、噂を広めた人がたくさんいるんで実際にはそのあたりの真偽は分かりません。あくまで噂なので。

あまり有名ではないのですが、その心霊スポットには別の話もあるんです。

それは顔の潰れた男性が出るって話なんですが、人によってはその潰れた顔が、動物だったり、子供だったりするんだそうです。

それで、この男性を見てしまうと、憑いてきてしまうそうで、一度憑くと中々離れてくれないそうです。

今でも取り憑かれた方はたくさんいるそうですね。

幽霊って分裂できるんですかね?

それとも、ただ自分達が、それを同じ存在だと思ってるだけなんでしょうか?





以上が提供して頂いたお話です。

現在、О県にあるこの心霊スポット【■■■■】

には、

目を口を大きく見開き、怒りの表情を浮かべた女性が佇んでいる、

という目撃情報が多く寄せられています。


引き続きサイト「こわいはなしあつめました」についての情報がありましたら、筆者まで連絡を宜しくお願い致します。


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