遠足は友だちと 9

ティファはまだ剣の素人。

素人が振り回す剣に任せるのは怖い。。。


レオナは魔法を使いこなしている。

しかし、確実に過剰火力。。。


・・・覚悟を決めたアイシャ。

「レオナ様!宜しくお願いします!」


どうせ危険なら長い付き合いのレオナに頼みたいと判断したのだ。


「よ~し、私に任せなさい!

とりあえず、これ咥えて。」


アイシャの口に回復薬のビンをねじ込む。


「柵を魔法で吹っ飛ばすから、痛いと思ったら回復薬を飲み込んで。」


口に回復薬を入れられているので話せないアイシャが無言で頷く。


柵に挟まり、口にビンを咥えている姿。

お嫁にいけないかも、、、

と心で涙を流すアイシャ。


「柵を吹っ飛ばすと音と煙で警備兵が集まってくると思うから、そこからはスピード勝負よ!

準備はいい?」


アイシャとティファが頷く。


「いくよ!!」


レオナが火の玉を撃ち出す。


「ヒィィィィ~~!」


ドゴォォォォン!!


アイシャの近くの柵を吹き飛ばす。

柵が歪んでアイシャが通れるようになった。


・・・無茶苦茶痛かったので、もちろん回復薬は飲んでいる。

アイシャは涙目だ。


「ゴー!」

レオナの掛け声と共に3人が駆け抜ける。

ようやく城を出て、3人の冒険が始まった。


これから、自分たちで考え、自分たちで決める。そんな旅が始まった。

勇者と王女と見習い騎士。

彼女たちの魔王討伐の旅スタートの瞬間であった。




一方、魔王城。

リノア

「勇者が出発してしまいましたね。」


「いずれは出発したんだ。

それほど問題じゃないさ。」


「今後はどうされますか?」


「そうだな、、、

良い作戦を思いついたぞ。

クックックッ。」


「魔王様、悪役っぽいです♪」

エリーの感想に、


「なにせ魔王だからな!」

満足げな俺。


「バカな話をしていないで、作戦を教えてください。」


「そうだった。

次の作戦は、

ごにょごにょごにょ、、、だ。」


「なるほど、承知しました。

適任者を派遣します。」


「頼むぞ。

今後も勇者の動向はしっかりチェックしていこう。

俺はまだ勇者に倒されたくないからな。」


「・・・勇者殺すか?」

メキラの発言が不穏だ。


「まだダメだ。

もう少しじっくり時間をかけないとな。

やり過ぎは危険だ。

神が暴挙に出かねないからな。」


「慌てなくても大丈夫だ。

勇者には俺の手のひらの上で踊り続けてもらうだけだ。

クックックッ、ハッハッハ~!!」


「今日の魔王様の悪役感、半端ないです!」


「だいたい、こういう悪ノリは裏目に出るのが相場です。やられ役のフラグです。」


リノアが恐ろしいことを言っている。

だが、俺の魔王ライフは誰にも邪魔させん!

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