第7話 先輩の下着が透けてみている⁉
何とか、
今日は木曜日。
現在、その日の放課後。裕翔は椅子に座り、正面のテーブルに積まれた用紙を数枚ほど手に、同時に目を通す。
「んん……これは、まあ、承諾できそうかな……?」
殆ど業務とかをやったことはなかったのだが、三日間も続けていれば感覚的にわかってくるものである。
先輩は本当にどういう意図があって、俺なんかにこんな大がかりな仕事を渡してきたのだろうか。
この前の直接聞いたのだが、先輩からはぐらかされてばかりだった。
「今日も先輩は戻ってくるのが遅くなるのかな」
一人で生徒会室にて、淡々と作業を続けていた。
今日はクーラーが効いていて、比較的涼しい。
生徒会室に設置されているエアコンなだけあって、しっかりと仕事をしてくれている。
裕翔の熱くなった体を冷やしてくれているのだ。
むしろ、ここは学校の中で一番の楽園だろう。
「これで、ラストスパートだな」
裕翔は最後に残った数枚の用紙を手にする。
それに目を通し、問題なさそうなモノにはハンコを押す。
先輩に確認すべきモノは、別のところに分けて置き。
どう考えても難しそうなのは、シュレッターが設置されているところへ持っていくのだ。
「あーッ、お、終わった……」
何とか業務を片付けた。
多分、こんな感じでいいだろう。
あとは先輩に確認するだけだな。
裕翔は席から立ち上がる。
が、体がよろめいてしまった。
一時間以上も座っていたことにより、足の感覚が一瞬なくなってしまっていたのだ。
何とか態勢を整え、生徒会室の扉を開けようとした時だった――
「あれ? 裕翔、もしかして終わった感じ?」
「は、はいッ」
裕翔は頷く。
目の前にいる夏川先輩は、頭にタオルを巻いていた。
女子なのに、男性っぽい気合の入れ方をしているのだ。
それに、先輩が今、身に着けている白色のTシャツは汗で汚れている。
「どうしたんですか、そんなになるまで」
「ちょっとね、やらないといけないことがあって、その片づけをね」
先輩は背中や肩のところを叩き、頑張ってきた感を露わにしていた。
一体、何が?
先輩は扉を閉め、近くのソファに腰を下ろす。
それから頭に巻いていたタオルを外していた。
「私ね、さっきまで、一階の倉庫で段ボール整理をしていたのよ」
「段ボール整理?」
「そうそう。それが結構重くてさ。重要なことだから、やらないといけなくてさ」
「じゃあ、俺にも言ってくださいよ。それこそ、俺がやるべき仕事じゃないですか」
「それはいいから。その段ボールに入っているのはさ、生徒会としての重要書類だからさ。さすがにそれは裕翔には見せられないしさ」
「でも……。だとしたら、俺がさっきまで目を通していた用紙も」
「それはわけが違うの。裕翔にやってもらったのはさ、生徒と、生徒会役員間の内容だから」
「ですけど……」
裕翔の中で少し消化不良になっていた。
「ま、そういうのは気にしないで。それより、クーラーが効いているところは涼しいわね」
夏川先輩は普段から所有している扇子であおいでいた。
多くの段ボールを持って作業していたのか、からだ全体で疲労を感じているようだ。
自分に何かできることはないだろうか。
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫、これくらい」
先輩は明るく返答してきたのだが、どこか本心を隠しているような気がした。
「それより、あの作業は終わった?」
「は、はい。あちらにありますね。その中で、先輩に確認したい内容が数枚だけあって」
「どれ、見せてみてよ」
裕翔は用紙が置かれたテーブルから持ってきて、ソファに座っていた先輩に受け渡す。
「……水着コンテストの回数を増やす? これはどういう意味があるのかしらね?」
「もしかすると、女子生徒の水着を見たい人の意見だと思うんですが」
「まあ、安直に考えるなら、そうかもしれないわね。でも、んん……どうしようかな。まあ、水着コンテストは私がやりたくてやっているわけじゃないんだけどね」
「そうなんですか?」
「まあ、事の発端は、この学校の校長が水着コンテストを開催したいって。それと、私に出場してほしいっていう、校長のお願いがあってさ。土下座までされて。しょうがないなってことで。それから始まったわけ」
「そ、そういう過去があったんですね」
「そうね。でも、まあ、水着コンテストに参加したからこそ、校長と水着コンテスト支持者の男子らからね、今まで生徒会役員の投票を多くもらえてきたわけなんだけどね」
そういう裏話があったとは。
という事は、先輩は実力というよりも、エロい思考回路を持つ校長とかの影響が大きいという事なのだろう。
改めて、夏川先輩のおっぱいの偉大さを実感することになった。
……⁉
目の前で、足を組んで扇子であおいでいる夏川先輩。
彼女のTシャツは汗で汚れていて、内側のブラジャーとかが薄っすらと見えている。
目を凝らせば、先輩のブラジャーに隠れているおっぱいが見えそうになっていた。
先輩のおっぱいはデカい。
揉みたいという衝動に駆られるが、ここは自分で自分をコントロールしないといけないと思い、グッと性欲を抑えた。
「どうかした感じ? 顔赤いよ?」
「暑かったので」
「どういうこと? エアコンつけていたんでしょ?」
「まあ、そうですけど……」
「そう? あ、そうだ。それと、今から私の肩を揉んでくれない?」
「も、揉む⁉」
「そうよ。やっぱり、少し頑張りすぎちゃって、肩がちょっと疲れているのよね。一応、手伝いの一環としてね」
先輩の肩を揉むことになっただと⁉
こんなにも近距離で。
その上、先輩と二人っきりの空間。
ほぼ布一枚の状態の先輩の体に、自分の手が触れるということだ。
触ってみたい。
先輩の体を触ってみたいという願望が、内面から湧き上がってくる。
さっきまで歯止めをかけていたのだが、そのブレーキが壊れてしまいそうだ。
でも、このチャンスはそうそうない。
そもそも、今は先輩の疲れを癒すためにやる行為なのだ。
自分の中でそう言い聞かせ――
「で、では、やらせてもらいます……」
「お願いね。ふー、それにしても暑かったわ」
「そ、そうですよね」
裕翔は先輩の背後に回り、後ろ方から先輩の背中を見やる。
ポニーテイルの髪。
なぜかは不明だが、汗をかいているのに、先輩の方から良い匂いが漂ってくる。
少し性的なところを刺激されているかのようだった。
そして、裕翔は先輩の肩に触れるのだった。
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