第2話 女神、毒見にされる
勇者の旅が始まった。
私が担当する召喚勇者はどうやらあまり性格の良い人間ではないらしい。
私が与えたチート力を駆使して調子に乗る、というテンプレ的な駄目主人公の行動はとらないものの、大手を振って誉めれるよう行動はしてくれない。
「ええと、わざわざ呼び出しに応じて来てみたんだけど。何で机に座らされてるの?」
何度目になるかも分からない呼び出しに首をかしげていると、私は椅子に座らされた。
目の前の机には美味しそうな食事が。
無言で差し出される料理。
まさか、私にこれを食べろと言う事なのか。
勇者が戦いでも、修行でもなく手料理!?
何も言わず食事をするように促してくる変わり者の勇者の圧に耐え切れず、食べ物を口に運ぶと私は「ごふっ」血を吐いた。
体が震えてきて、体温が下がっていく感覚。
呼吸も荒くて、床にばったり倒れ込んだ。
胃の井の中がとんでもない事になってる気がして、慌てて女神の力を駆使し、治癒魔法を自分にかける。
「まっ、まっ、まさかっ!」
勇者は一つ頷いて、神妙に一言。
「女神は特別、頑丈だから死なない」
女神が、毒身をさせられた!?
確かに神様だから死なないけども!?
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