第28話 少しだけおかしな文
本エッセイは回を重ねていますが、毎日のようにおかしな文章に出くわすので、だんだん疲れてきました。
しかし、気を取り直して、書いていきます。
今回取り上げるのは、自民党の「還流」と政治資金収支報告書に関する、政治欄の記事です。
おかしいと思った文は、一つの記事の中に二つありました。
まず、次の文です。
「自民党は5日、派閥の政治資金パーティ券収入の還流分などを政治資金収支報告書に記載しなかった議員リストを野党に提示した。」
このままでは、「……記載しなかった」は「議員リスト」、一言で言えば「リスト」に係ることになってしまいます。
しかし、「記載しなかった」のは「議員」であって、「リスト」ではありません。
【改善案】
「自民党は5日、派閥の政治資金パーティ券収入の還流分などを政治資金収支報告書に記載しなかった議員のリストを野党に提示した。」
「議員リスト」を「議員のリスト」とするだけで、おかしさは解消します。
次は以下の文です。
「自民のリストが20~22年分の不記載だったことについても、岡田氏は『立件範囲は5年だ』として、岸田首相(自民総裁)に対してリストの出し直しを求めた。」(傍点は私)
誤植でしょうか? あるいは、「20~22年分の」を「20~22年分が」とすると、その前の「自民のリストが」から「が」が二つ続くので、「の」としたのでしょう。
しかし、「20~22年分の不記載だったこと」というのは、明らかにおかしいです。
【改善案】
「自民のリストが20~22年分は不記載だったことについても、(以下省略)」
これも、「の」を「は」にするだけという単純さです。
こうしてみていくと、まさかとは思いますが、今話題の「生成AI」を使って記事を書いているのではないかと、疑いたくなります。
生成AIはまだ、「の」や「が」といった微妙な語の用法まで十分に学習できていないので、こういうことが起こるのではないか……。
それは措くとして、記者や、記事をチェックする校正部門の方には、もっとしっかりしていただきたいものです。
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