配信、開始!

 ウェスタがSNS等での広告作業をしてくれたので、俺は配信開始の用意をしていた。


 そして、用意がついに終了する。


「ウェスタ、準備はいいか?」


「深呼吸をして、よし! 準備OKなのじゃ!」


「よし、行くぞ!」


 俺はカメラを飛ばし、ウェスタの姿が映っていることを確認したのちに、配信開始のボタンを押した。


「こんばんはなのじゃ! 『ウェスタン』のドラゴン、ウェスタじゃよ!」



コメント

『かわいい。チャンネル登録しました』

『拡散決定!』



 ウェスタの容姿につられてか、同時接続、チャンネル登録者数がすぐに2桁に到達した。瞬く間に二桁後半である。


 まぁ気持ちもわかる。だってかわいいから。


「拡散、ありがとなのじゃ! SNS等も概要欄に貼ってあるからのう。SNS等のフォローも頼むのじゃ!」



コメント

『当然』

『よし、行くぞお前ら』



 ウェスタが笑顔でお礼をいって、その後宣伝すると、SNSのアカウントのフォローの通知が鳴りやまなくなった。


 ふむ、通知はオフにしておこう。


「それじゃあ儂のこれからについて説明していくのじゃ!」



コメント

『お?』

『期待なのです』



 ここで、ウェスタには説明をしてもらう。探索者稼業や、ゲーム、日常配信について。


「基本的に結構いろいろな事をやるのじゃが、メインはダンジョン探索じゃな。その他はゲーム、雑談配信となるのじゃ」



コメント

『探索者!?』

『何歳??』



「気になるものもいると思うのじゃ。儂は15歳以上には見えないじゃろうからな。でも儂にはそんなものは関係ないのじゃ。なんてったって儂は……ドラゴンじゃからな!」


 ウェスタはそういった瞬間に翼と爪を顕現させる。そして、マグマのようなエフェクトが辺りに発生する。なんだそれ。熱くもない。そんなこともできるのか。



コメント

『えぇぇぇ!?』

『マジかよ!!?? かっこいいしかわいいとか最強か?』



「真面目にいうと、儂の主殿は召喚士でな。儂は契約した魔物なのじゃ。この配信が儂が主殿に頼み込んで行っておるのじゃ」


 ウェスタが真面目に説明してくれる。まぁ俺もいいと思ったからやらせているわけだしな。何かあったら俺が責任を取る。



コメント

『魔物の頼みを聞く主優しくね?』

『まぁこんだけ可愛かったらだれでもいうこと聞くわ』



 コメント欄の意見に俺は全面的に同意をしたいと思う。だってかわいいから。


「今日は初配信じゃからな。これから質問を受け付けていくのじゃ」



コメント

『はい! 主殿はどんな人ですか!?』

『ウェスタちゃんはどれくらい強いの!?』


 俺に関して聞く質問も見えたな。俺はしばらくは配信に出ないつもりだ。幼女の配信に19の奴がまざったらなんだこいつと思うだろうからな。


「主殿は勇気があって優しい人じゃよ。特に良く美味しい食べ物を食べさせてくれるところがいい所なのじゃ。儂の強さに関しては次のダンジョン配信まで持ち越しじゃ!」



コメント

『主殿めっちゃいい人そう』

『次はダンジョン配信なのか。楽しみだな』

『戦ってるとこちょー見てみてー』

『ゲームってどんなのやるんだ?』



 ウェスタの発言のおかげで俺の印象はよさそうだ。よかった。これでなんか文句言われたらダメージ受けてしまう。


「主殿はいい人じゃよ。ゲームはレースゲームやボードゲームを行えるゲームなのじゃ」


 そうだな。うちにあるゲームソフトがそれしかないから。今度流行りのゲームを買ってこようと思う。


「主殿、買ってほしいゲームは買ってくれるのか?」


「おう、もちろんだ」



コメント

『お、主殿』

『なるほど、カメラマンか』

『イケボで草』

『おねだりウェスタちゃん』

『収益化の予定はありますか』



「収益化は条件さえ満たせば行っていきたいとおもうのじゃ。主殿に貢献できる方法の一つであるからのう」


 まぁ俺はウェスタの配信で手に入れた金は生活以外の分、ウェスタの為に使う気でいるけどな。



コメント

『互いに思いあう主と魔物』

『これはいい絆』

『ウェスタちゃん何かポーズお願いします』


 質問というかお願いが来たが、ウェスタは律儀に対応した。


「ポーズ、これでよいかのう? がおー!」


 アイコンの時にもやってみせたポーズだ。



コメント

『はぅ!?』

『尊死』

『最高……』



 その後もウェスタと視聴者のやり取りは続いていった。


 そして、ウェスタがSNSのトレンドに入り、ウェスタンのアカウントのフォロワー数、チャンネル登録者数はかなりの伸び方を見せた。


 フォロワー数は2万近く、チャンネル登録者数は1万5000、そして同時接続数は最高3498を達成していた。


 なんもなしから初日にしてはすごい増え方だ。


「今日はありがとなのじゃ! 次の配信は……明日、だったはずじゃ。主殿ー?」


「明日で会ってるよ。大丈夫」



コメント

『明日! 絶対見ます』

『期待大!』



「そういうわけで、今日の配信を終わるのじゃ、皆ありがとなのじゃ~」


 ウェスタが手を振っているうちに配信終了のボタンを押した。


「どうだった?」


 配信を終えたウェスタに聞いてみる。


「最高に楽しかったのじゃ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る