異世界生活・9日目
数日間寝込んでしまって、ご迷惑をお掛けしてすいません。と教会の皆さんに謝ると「気にするな」と口々に言っていただけました。
ご近所さんも心配して頂いていたと聞いて、嬉しくも申し訳ない気持ちになりました。
朝の礼拝。何時ものように女神像へ祈りを捧げると、光るのは変わらないのですが女神像から放たれた光が礼拝場全体に広がっていきました。こんな事は初めてです。
礼拝に訪れていた人達も驚いていました。
礼拝後、外へ出ると普段は朝の礼拝に来ない人達の姿が見えました。聞けば、朝の礼拝の鐘が鳴った時に、教会から不思議な光が放たれて街中に広がったそうです。今までこんな事は無かったので驚いていると、次から次へと人がやってきては女神像へ祈りを捧げていました。
昼頃に孤児院へ行くと、子ども達が駆け寄ってきました。皆とても興奮していて、大騒ぎです。何かあったのかと聞くと、朝の礼拝時の光はこの辺りまで届いていたそうです。更に、体調の悪かった小さい子が急に元気になったり、孤児院の畑が物凄く生き生きとしているのだとか。実際にみると確かにどの野菜もツヤツヤしていてとても元気そうに見えました。
これはもしや?と思い、他の方にも聞きましたが、やはり腰痛が治ったとか枯れかけた花がまた咲いたとか…なにやら不思議なことが起きていました。あの光にそんな効果があるとは、本当に不思議な世界です。
そんなある日、王都の主教会という場所からお客様が来ました。なにやら大切な話があると言うことで、朝からエドさんは執務室に籠もっています。しばらくして、エドさん達が出てきました。お客様は何故か私に深く一礼して帰っていかれました。
夕食時、エドさんから女神像を交換するとお話がありました。今ある女神像は古くなってきたので、新しいものが明日運ばれてくるそうです。今ある女神像もそれほど古いとは思わないのですが、何か決まりでもあるのかもしれませんね。
翌日、女神像が交換されました。古い方は主教会で丁重に保管されるようです。
交換の手順ですが、ここでは魔法が使われました。フォークリフトやクレーンなどありませんからどうやって交換するのだろう?と思っていたのですが、王都から数人の魔道士さん達が来て、女神像を魔法で浮かせて交換していました。魔法って便利ですね。
女神像は新しくなりましたが、お披露目会などはせず、いつもの通りの夕方の礼拝を迎えます。女神像へ飾る花は昨日の内に準備済みでしたので、ちゃんと飾ってあります。
女神像は今日も光を街中に届けていました。
明日も良い日でありますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます