厨二病重篤患者が世界に喧嘩を売り英雄になるまでの話

征夷大将軍

邪気の鱗片

第1話 召喚されし厨二病

剣や魔法で敵を打ち倒すファンタジー世界。まさしくロマンしかない世界だ。敵をバッタバッタと剣で薙ぎ倒し、魔法で大軍を吹き飛ばす。実に我に合った世界だ。


そして幸運なことに、そんな世界に我は召喚された。英雄になるべくして。そして、そんな我の召喚主は....


「ふふ!目があったわ!ねぇ、ハイム、本当に可愛いわねぇ。私達のルークちゃんは!!」


「ああ、本当にこの可愛さは天使と間違えてしまうくらいだ!きっと君に似たんだね、セレナ。」


「そんなことないわ、ルークの可愛いさはハイムのかっこよさからくるのよ。ふふ」


「照れるな...この子の将来が楽しみだ。」


こんな奴らである。なんだこの、気持ち悪いデレデレカップルは。我はお前らの将来が不安だよ。


「そうね、ハイム....チュ」


おい、我の前だぞ。いちゃつくな。発情期の猿か、お前たちは。


「...セレナ!!」


「ダメよ、ハイム♡ルークちゃんたちが見てるわ」


「大丈夫さ、僕がいるから」


なにが「僕がいるから」だ。文脈おかしいだろ。お前がいるから我の聖域サンクチュリアに平穏が訪れないのだ。


おっと、いかん。我のクーリッシュ(クールでスタイリッシュの略)なキャラが崩れるところだった。


一応この発情期の猿どもの説明もしておこう。


ヘレナという女召喚士は、ブロンドの髪と青い瞳を持ち発情期の猿ような笑みを浮かべている女性。ハイムと言う男召喚士は、青味がかった黒髪に金の瞳をもつ長身の男性だ。そして、大変遺憾ではあるが我の召喚主両親だ。


そして


「じーー....」


何だこのチビは。銀髪の、目の蒼い、いかにも何かありそうな女は。


「あら、マリーちゃん。ルークちゃんが気になるのかしら?」


マリーと呼ばれたチビは、頭をブンと大きく振る。


「マリーちゃんは、これからルークちゃんのお姉ちゃんになるのよ。よろしくお願いね。」


え...こいつが我の姉なのか。


まぁ、推定コミュ障のこいつの方があの絶賛発情期の猿カップルよりマシか。









あとがき


こんにちは。読んでくださりありがとうございます。プロットを作り直した関係で、少し話を改定しました。



もしよろしければ、評価、作品へのフォロー、コメントよろしくお願いします。



 



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