第63話
ジェコネソにやって来た俺がやった事
1.ギルドメンバーに登録
2.ダンジョンのドロップアイテムを買取してもらおうと持ち込む
3.クズ貴族をぶん殴った
・・・うん、やっぱり3番だけおかしいよな。
っと俺がやらかした事を振り返っている。
こりゃ明日の予定がパァだな。エイミィになんて伝えよう。
「コウキ様!腕が!」
俺がそんな事を考えているとデューオやボーロック達が慌てた様子で俺の腕を心配そうに見ている。腕は青黒く変色しており見ているだけどかなり痛々しい。怒りでアドレナリンが出まくっているせいか今はそこまで痛みを感じていないが後が怖い。
「コウキさん、急いでこれを!」
そう言ってゾアは一巻きの包帯を取り出して俺の腕に巻き付ける。
「ミーシャとの共同開発で作った治癒包帯です。骨折程度なら5分で治ります」
凄いなそれ・・・
っと感心しているとなんか『パキパキ』って音が腕から聞こえているんだがこれ本当に治っているんだよな?
「貴様!私にこんなことをしてタダで済むと思っていないだろうな!」
穴の開いた壁の奥から兵士に担がれた状態で入ってくるモーラスは睨みつけながら叫ぶ・・・顔面には見事な拳の跡が残っている。
「それはこっちのセリフやで?オッサンこそ、ワイらに手を出した事を後悔させたるで」
っとゾアがやる気のあるトーンでモーラスを挑発し片手でモニターを操作しだす。
ヤバい、ゾアの奴もかなりキレている・・・流石にゾアがここで暴れるのはマズイ!
「ゾア待っ『あらあら・・・随分と派手にやっちゃいましたわね』・・え?」
野次馬の方から緊張感の無い声がするととび路の方から一人の鎧を纏った人物が入ってくる・・・というか門番をしていたおばさんだった。
「皆さん、この場は町長である私、シャーリー・ジェコネソが預からせていただきます。あなた達もいいですね?」
おばさんが兵士やギルド職員に言うと全員が納得したのか頷く。
「おばさんがジェコネソの町長?」
「まあね、今日は重要人が来るから出迎えの為に門番のアルバイトをしていたのよ」
おばさんは俺に説明するが、町長がアルバイトって・・・しかも出迎えの為に門番とか色々とツッコミたいんだが。
「町長がなぜあなたがここに?!今日は出払っているはずじゃ?!」
「モーラン・ドーバ男爵、ギルマス達がいない事を利用して随分と横暴な態度を取っていたみたいですね。事態は職員から聞いていますよ・・・そこのお嬢ちゃんに無理やり迫ったと」
おばさんも事態を理解しているようで口調からして俺達の味方っぽい。
「ち、違う!私は・・・そ、そう!彼女に魅了されているのです!あの魔人族は夢魔種・・・卑怯な事に私を
分が悪いと感じたモーランは出鱈目な事をぬかし始める・・・このオッサンもう一回ぶん殴ろうか?
だがモーランの言葉に周囲の人達はざわめきだす。
「夢魔種って魔国でも珍しい種族だよな?」
「大昔は様々な魔人族を誘惑して国を大混乱に貶めたとか」
「夢魔種の女性を巡って大虐殺が起きた事件もあったな」
「ベッドの上で夢魔種に殺されるなら本望っていう奴もいるらしいぜ」
「つーかあの嬢ちゃんメッチャ美人じゃね?もしかして俺も魅了されたか?」
っと何やら変なのも混ざっているが、雲行きが怪しい。
「ほう、魅了されているって?・・・なら俺が鑑定してみようか?」
そう言って部屋に入って来たのは一人の男性。銀色の髪に左目を隠すアイバンド、丈の長いコートと・・・見るからに中二病を意識したような外見の男。エドと並べたら色々とヤバい気がする。
「あ、あなた様は・・・グランドマスター?!」
グランドマスター?ギルドマスターじゃなくて?
っていうかこの人若くないか?高校生?・・・いやもう少し上っぽいが俺とそこまで違いは無いと思う。
「ドーバ男爵・・・本当にあの女性に魅了されたのかね」
グランドマスターがゆっくりと近づきながらモーランに近づく。すると彼の茶色の瞳が赤く変色する。
「あ・・・私は」
「おかしいな・・・俺の鑑定ではお前は魅了されていないし、された経歴もないが・・・」
「そ・・・それは・・・失礼しました!」
まるで蛇に睨まれたカエルのようにモーランはガタガタと震え、叫ぶように情けない姿を晒しつつ部屋から逃げ出し、彼の兵士達もついていくように部屋から去っていく。
そしてその光景を見ていた者達は一気に歓声を上げていた。
「スゲー!流石グランドマスター威厳が違いすぎる!」
「流石英雄!テオプアの未来は明るいぜ!」
少々熱が高すぎるような気がするが、彼のおかげでこの場は収まった。
「皆さんお騒がせしました。今後このような事が起こらないようにギルドは対策を建て皆さんが快適に利用できるよう精進していきます。どうか今後ともギルドの応援をよろしくお願いします」
さっきまで威圧的な雰囲気はすぐに消え、歓声に応えるようにグランドマスターが言うと皆は納得した様子で彼を見てこの場から離れていった。
「さて・・・次は貴方方だがとりあえず場所を変えよう・・・シャーリーさん、後の事はお願いしていいですか?」
「分かりました」
グランドマスターに言われるがままにギルドの奥へ進むと何やら一段と豪華な装飾が施された扉のある部屋へ案内される。
部屋には俺達8名とグランドマスターと護衛なのか随分とムキムキな50代くらいの大男が後ろに控えている。
「さてここなら誰にも聞かれる心配はない・・・さっきテオプアの醜態をさらしてしまって申し訳ない」
「いえ・・・こちらこそ問題を起こしてしまったし」
「後ろの女性を守ったのだろ?まあ、あの男爵の事だ。金で解決しようとしたんだろう」
まるで全て知っているかのような口ぶりだがこの男は一体?
「
グランドマスターの後ろで控えていた大男が興味深そうに俺達を見るとグランドマスターに確認を取っていた。
「あの?・・・どういう事ですか?」
「すまない神崎・エドワード・光輝さん・・・予定では明日会うはずだったんですがね」
明日会う?・・・もしかして
「申し遅れました。俺の名前は
これが俺の初めての同郷との出会いだった。
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