秘密基地

うちのオカメさんは、洗濯機の上が大好き。

洗濯中は相変わらず、ほぼ毎日フタの上を陣取っています。


洗濯物を干し終わると、シャツのアイロンがけをします。

私が使っているのは、高さが20cm程度の折り畳み式のアイロン台で、居間である和室で座ってアイロンをかけます。

実はこのアイロン台、折り畳んでいた足を立てると、途端にオカメさんがソワソワする代物になるのです。



アイロン台にシャツを広げて乗せると、台の端から、乗り切らないシャツが垂れ下がります。

オカメさんはそれを見つけた途端、ウキウキと歩いてきて、隙間から下に潜り込むのです。

そして、出てきません。


え〜っと、オカメさん、なにをしているのですか?


シャツをはぐって覗き込むと、フッ、フッと姿勢を低くして威嚇するオカメさん。

どうやらここは、オカメさんの秘密基地のようです。


進入禁止を主張されたので、私は大人しくアイロンをかけます。

スチームは使わない(水も入れていない)ので、アイロン台の下は特に蒸気が溜まることもなく、ほんのりと温かい程度。

この温かさと、周りが程良く囲われた空間が居心地良いようです。


そうは言っても、シャツを一、二枚アイロンするのなんて数分です。

サッと持ち上げられて、ギョー!と怒るのもお約束。


『 おかあしゃん ひどいですーっ! 』


だってオカメさん、またウピウピしちゃうじゃないですか!


楽しい場所は確保してあげたいところですが、狭くて薄暗い所は巣作りに最適なので、長くいると発情モードに入ってしまいがちなのです。




怒るオカメさんをなだめながら、シャツとアイロン台を片付ける私。


……ん?


良く見れば、シャツに小さな緑のシミが…。

ぎゃーーっ、洗ってアイロンかけたのに、う○ち付けたわね、オカメさーんっ!!



怒りたいのはこっちの方ですよ、オカメさん!

そう思いつつ、今日もオカメさんがウキウキとアイロン台の下に潜り込むのを、微笑ましく見守ってしまうおバカ飼い主なのであります。



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