珍事件

インコの身体は、とても柔らかいです。

特に、首。

身体中の羽根をブワッと膨らませている時は、首が短く見えますが、インコ達の首は実は結構長いのです。


オカメさんが羽繕いをする時によく見ていると、首をあちこちに向けて嘴でお手入れしています。

尻尾の付け根をお手入れする時は、身体はUの字に曲がっていますが、その時の首は、うーんと伸びています。

長い首を使って、身体の隅々まで念入りに羽繕いするのですね。



そんな自在に動く首を使っても、届かない場所は顔と頭周り、首後ろ。

どうやっても嘴でお手入れ出来ない部分です。


私が羽繕いを手伝うところでもあります(羽繕いの回参照)が、オカメさんが羽繕いをしたい時、いつでも私がお手伝い出来るわけではありません。

ケージの中でも羽繕いしますし、放鳥中にずっと私と一緒ではありませんからね。



そんな時は、オカメさんは足を使って羽繕いします。

翼の付け根のから足を上げ、足の爪先でカカカッと掻くのです。

翼の前でなく、後ろ側です。


首を傾げるようにちょっと頭を倒して、カカカッと素早く掻く動作は、おお!器用だ!と何度見ても感心してしまいます。




しかし、そんな器用な足技も、たまには失敗することがあるのです。


カカカッとやろうとして、空振りしたり。

カカカッとやったは良いけれど、力加減を間違えたのか、ギャッ! と声をあげたり。

羽繕いは毎日のこととはいえ、ミスなしとはいかないようです。



そんな失敗の中で、一番おもしろかったのはこれ。


いつものように、冷蔵庫の上で羽繕い中だったオカメさん。

カカカッとやった途端、爪先が丸い鼻の穴にスポッ!


……………!!!!


一瞬停止の後、我に返って、突然あちこちに向かって フッ! フッ! と威嚇しまくるオカメさん。


いやいやいや、自分でやったんだからね!




なかなかの珍事件。

今までに見たのは二回だけ。


三回目はいつかな〜なんて、ちょっと期待して羽繕いを眺めてしまうおバカ飼い主なのであります。


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