ほぐす

前回、換羽期について書きましたが、今回はその続きを。

あ、これを書いている現在、まだオカメさんの頭にはかんざしが刺さっています。

ははは……。


うちのオカメさんは、今ちょうど換羽期の終わり頃。

一昨日も貴重な黄色い尾羽根が抜けました。

オカメさんの身体はグレーが基調色なので、尾羽根の左右に一本ずつ生えている黄色の羽根は貴重なのです。

うう、これもチャームポイントなのに。




さて、皆様は、鳥の羽根を見たことがありますか?

ふわふわの羽には、固い根本部分があります。

それを合わせて羽根。


根本部分である、皮膚に刺さっていた部分を羽軸根うじくこんといいますが、これが意外と太いのです。

翼や尾の部分の大きな羽根だと、オカメインコでも優に直径1ミリはあります。


新しく羽根が生える時は、その羽軸根うじくこんと同等の太さのトゲトゲが、皮膚からニョキッと伸びてきます。

羽鞘うしょうという名のそのトゲは、うすくもろい殻で出来ていて、それがほぐれると、中から新しいピカピカの羽根が出てくるのです。



新しい羽鞘うしょうが生える時、オカメさんは相当痒そうです。

夢中で羽繕いをし、頭を擦り付け、羽鞘うしょうをほぐします。


『かゆい かゆい〜っ!』


狂ったように首を動かし、身体中を高速で羽繕いする様子は、鬼気迫った感じです。


そんなに痒いなら、手伝ってあげましょう。

私が指先を持って行くと、待ってましたとばかりに頭を下げるオカメさん。

頭と首後ろ、顔周りは羽繕いが難しいので、トゲトゲ羽鞘うしょうがたくさん残っているのです。

爪の先で優しく掻いてやれば、気持ちよさそうにうっとりしてくれます。


お客さん、痒いところないですか〜?

そんな気分で、こちらも楽しくお手伝い。



しかし時々、ギャッ!と鳴いて、ガブリと嘴で噛じられます。

どうやら生えかけの羽鞘うしょうを無理にほぐすと、根本がチクチクするようです。

でも私には、どれが生えかけで、どれがほぐし時なのかサッパリ分かりません。


一日何度も『掻いて♡』と頭を下げられ、掻いては指を噛じられる、おバカ飼い主。


でもオカメさん。

自分で羽繕いする時も、時々 ギャッ!と鳴いています。

自分でも加減が分かっていないんじゃ〜ん、と思わず突っ込みたくなる毎日です。


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