第46話 試合開始
メンバー全員が
「皆不安そうだね。」
ロッカールームに集まったメンバーを見て、
「
「
「ですが……」と言った後の
「敵もその形を予想して対策を組んでくると思うので、まずは様子見を……。いや、幸運に賭けるなら、初手から全力で……。でも、それで失点したら……。けれど、チャンスはそこしかないかも……。」
と、尻すぼみに小さくなっていく声と共に、1人でぐるぐる考え始めてしまった。行き場を失った空気が場を漂う中、
「おい
「……
「いぃ!?なんでそんなことになってんだよ。」
「僕にも分からないよ……。」
この空気をどうにかする糸口はないかと
他にも、
そんな中、
「君たち全員の決断の責任は、全て、キャプテンである私が負う。」
その言葉は、
「私はこの試合で、君たち全員に、私が真にキャプテンであると認めさせる。」
「だから、見ていてくれ」と言った
・ ・ ・ ・ ・
「瞑想やめ!」
「ちゃんと集中できてるわね?まさか、まだ前の負けを引きずってるチェリーボーイはいないでしょうね?」
監督のその問いかけに、
「素晴らしい。それじゃあ試合前の運試しといきましょうか。カモン!
そう呼びかけられた
「相変わらずこっちの運は微妙なのねぇ、
「形式が良くないっすよ。もっと熱くなれる賭けじゃないと。」
「なら、こうしましょうか。賭けるのは相手と自分の未来。賭けに勝った者は、現在勝者側トーナメントを駆け上がる
「敗者側決勝勝たなきゃ1校で終わりじゃないっすか。」
「勝つために、
「良い賭けだと思うわ」と、監督が言う。ただ勝つだけでなく、強くなった相手を超えて勝つという勝利条件を改めて共有したことにより、選手たちに期待と高揚感が沸き上がった。その様子をゆっくりと確認した監督が、いよいよ試合だと喝を入れるように通る声で話し始めた。
「さて、お喋りはここまでにしましょう。作戦チェックの時間よぉ!
「
「その通り!じゃあ、
「
「Great!
「
「Cool!
「まずは、個人で戦う。群で戦うに相応しい相手か見極めるために。」
「完璧ね。相手が強くなってないようなら、当然のように個人技で完封してしまいなさい。もし相手が相応しい敵だと感じたのなら、群の戦略に移行するわ。細かい指示は試合中に出すわ!さあ!ドンと胸張って戦っていらっしゃい!!」
「「「はい!!」」」
・ ・ ・ ・ ・
これまでとは比較にならないほどの大きな歓声と共に、選手入場のアナウンスが始まる。
『絶好のサッカー日和!!このスタジアムを埋め尽くすオーディエンスたちを魅了するのは、もう後がなくなった敗者たち!!互いに48点という残酷な現実を突きつけられた者同士、彼らは一体何を思い、何をぶつけ合うのか!?死闘に身を投じる挑戦者たちに、実況直々にエールを送らせてくれぇ!!』
より一層熱を増す歓声と共に、両チームがフィールド中央へ向かう。
『東コート!!時代が生んだ怪物、
『西コート!!もはやこいつらを雑魚と呼ぶ人間は存在しないだろう!!劇的な一回戦を終え、下馬評をひっくり返すような怒涛のルーザーズラン!!その様はまさにvanguard!!急成長する時代の先駆者たちは、勢いのままに帝王を打ち破ることができるのか!?期待の超新星!FC vanguard!!』
コート中央で向かい合った両者は、歓声で雑念がかき消され、純粋な闘志だけを宿した目で互いの存在を確認した。
『レジェンドリーグ、敗者側準決勝!!試合開始です!!』
天高く鳴り響くホイッスルと共に、挨拶を交わしポジションにつく。冷たい血液が流れるような緊張感の中、敗者側準決勝が始まる。
* * * * *
武です。
こちらが2024年最後の一本となります。2023年から執筆を始めた本作ですが、想像以上に多くの人に読んでもらえてほんとにうれしいです。初めは、自分自身が満足する作品を自分で作ってしまおうという意気込みで書き始めたのですが、こんなにもいろんな人に作品を楽しんでもらえて新しい作品作りの楽しさに触れられました。本当にありがとうございます。
なんか今年中に完結したいみたいなことを言った気もしますが、書いてるとどんどん長引いちゃって嬉しい悲鳴が出てしまいます。これまでどおり、予想は裏切ることなく、期待は超えていくような創作を目指していくので、よければ暇なときにでも立ち寄ってください。
2024年もありがとうございました。良いお年をお過ごしください。
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