第3話 黙れよ
気づけば3人に囲まれた私は、なんとなく教室で目立っていた。Aクラスには先生がおらず、全員自習をするというプログラムが、今は憎い。「(初日からこれか)」
だから学校というのはクソだ。赤と黄色の視界に嫌気が差してきた。
まぁまぁ、私は大人だからね、これくらいは許すよ。
「で、退いてくれない?私勉強しに来てんだけど。お前らみたいなお喋り好きじゃないから座りたいな〜って」
クラスが凍りつく。ごめんなさい、口を開けば毒を吐くようになっちゃったみたいだ。前はもっと上手くやってたんだけどね…
「無礼ね、あなた。気に入らないわ。リュカ、杖を持ってきて」
「あ、アリス…!ダメだよ」
「口答えしないでちょうだい。早く」
おやおや仲悪いのか?彼女の杖には薔薇が描かれていた。
「<ローザ・Alice>」
足元に薔薇が伸びてきた。自然系魔法…いや、幻術系か。取り敢えず避けよう、痛いの嫌いなんだよね。
何度か避けていると、彼女の額に汗が滲んできた。魔力量があっても祝福がなけりゃあまり体力は続かないだろう。
「はぁ…はぁ…ちょこまかと…!リュカ!いつになったら補給するの!!全く使えないわね!」
補給…?まさか、祝福の受け渡し?いや、それは禁術だしできるはずない。特にAクラスがそれを使ったとすれば…
「アンタは補給だけしてればいいの!」
その言葉と共に、薔薇の棘が降り注いでくる。あちゃー、クラスメイトみんなどっか行っちゃったよ。炎魔法で棘を焼き払う。
「無詠唱なのにそんな正確に…!クソっ!」
さっきからキンキンした声が耳に響くんだよね…うるさい…しかも話してる内容全部聞くに耐えないし。
「ねぇそろそろ黙れよ」
あ、静かにしようよって言うべきだったのかも。まぁしゃーないしゃーない。
闇魔法で足元に穴を作ると、彼女は落ちていった。
「!アリス…ごめん、大丈夫!?」
「リュカ…あれ、わたくし…ごめんなさい!またあんなことを言ってしまうなんて…エフェクターさんも…」
突然キレだすもんだから驚いたわ。今回の事で私多分この人のこと嫌いになったけどね。
キリさん言ってたもん、全員の事を好きになる必要なんて全く無いってね。
「別にいいよ、後で地中にでも埋まってもらうわ」
「すげぇなティーナ!」
「あ、そういえば居たね」
「おい!!」
Aクラスの人は全く怖いわ。すぐキレるんだな、私にはよく分からないよお前らの心境。仕方ないね、違う人だもの
「あ、あの…エフェクターさん、ありがとうございました、姉に勝って頂けるとは」
「あ〜えっと、君は…リュカだっけ。全然いいよ、あれは公平じゃなかった。あ、私勉強するから至って静かに自分の席戻れよ全員」
口が悪くて申し訳ないね、これはキリさんと改善に努めさせて頂きます。嘘だけど。
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