第5話 ヌビリ
翌朝、温かい光で目覚めると私は透明のカプセルの中にいた。それは空想員と星々が作ったであろう光の雲道の上を浮かび、ゆっくりと進んでいく。
私の前後、そして遥か先まで伸びるその道には多くのカプセルがある。
中に入っているのは、私と同じくらいの子や少し大きい人までが体育座りのような形で入っていた。恐らく空番であるその人達は、みんな静かに眠っていた。いや、あまりにも皆が安堵の表情を浮かべるものだから、眠っていた、と言うよりも眠らされているように見えた。
「……私、どうなっちゃうの?」
大きくなっていく不安に耐えきれず、私は思わず涙を流した。
涙で視界がぼやけた頃、星屑のアーチを超えた辺りでカプセルは溶けて私達は外に放り出された。その瞬間に手足の感覚や耳が元に戻り、私は戸惑いながらも地面の感覚を覚えるように歩いた。その先には、巨大な森と巨大な人型の形をした神々と輝く何か。
見覚えのある光景。
「おかえりなさい、天使たちよ」
美しい雫の様な瞳で見下ろすその姿に、私は思わず立ち止まった。その人は胸から生えた大きな翼で私たちを包み込むと、土産物の様な小さな星屑を私の頭や肩に振りかける。顔を上げ、その正体に私はようやく気づいた。
「…………ヌビリ」
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