くじらの●
しゃわしゅわと滝のような水飛沫を上げて、
塗りつぶされる×に浮かぶクレーター。
あぁ、ごめんね、今日も失敗。
闇を削る棘のような空気に溺れて、
うまく呼吸ができなくて。
喧騒の波に飲み込まれて、
黒渦のため息を吐き出して、
晴れた夜空も冷めた青海も、
いつものように曖昧で切れ目がない。
一方通行の海流の、
袋小路にたどり着いて、
角も丸も詰め込まれたそびえる小岩に、
つんとそっぽ向いて背を向ければ、
誰かの噂話も耳には届かない。
流れ木の枕を高くして宵の眠りにつけば、
真夏に垂らしたぬるま湯のような水面が、
頭のてっぺんを夜に濡らす。
瞼を閉ざして、くしゃみして、
風切り花の鋭い香りに包まれても、
太陽も遥か彼方に逃げ惑い、
波も離れて夜に姿を隠してく。
そっか、僕は、ずっと独りぼっち。
明日はきっと、
真ん丸の夜天光に照らされて、
人魚と妖精が踊るような、
子守唄に包まれて眠りたいな。
そんなふうに、かすかな願いは迷子の☆に煌めいて、
●を濃くした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます