転生おっさんプログラマー、魔王軍で成り上がる。

@paooon

第1話

おれは40のおっさんだ。


腹はでているし、筋トレもしない、ジョギングもしない。


ふつーのおっさんだ。


もちろん妻どころか、彼女すらいない。


40がらみの体力のまったくないただのおっさん。


そんなプログラマーのおっさんだが、

人生で一番の窮地にたっている。


「全軍、突撃準備」

「「おおっ」」

後方から、大声が聞こえる。それに呼応して、みなが気合を入れる。


おっさんは槍を片手に持っているけど、気合なんかはいらない。


足はガクブルだし、


全身から汗が吹き出し、震えが止まらない。血が頭に上ってくるのを感じる。


胃から食い物がせり上がってくる。

ごくり。


今日何食ったっけ。


なんかよく分からない異世界肉をくったな。


手の槍を握りしめる。まったくなじまない。


そりゃそうだ。


槍なんて、握ったのはつい最近なのだから。


そう。おれはつい最近までただのサラリーマンだったはずなのだ。



◇◇◇◇◇◇



「あー、疲れた」


今日も課長怒ってたなー。


なんで渡した仕事終わってないんだとか。


お前みたいな無能は過去二番目か、

過去一かもなとか。


お前、どーてーだろとか。


うるせーな。


殺すぞ。


終わってないとか言って、

仕事渡してきたの、今日の午後だぞ。


一日かかるような仕事終わるか。。


何が過去一無能だ。

おめーだろーよ。過去一の無能は。


くそがよ。


殺す、殺す、殺す。


ふー。


おめーのバグだらけのプログラムを誰が修正していると思っているのか。。。


……いやだ、いやだ。

もっと血沸き肉躍る仕事してーな。

こう全力で命を燃やすような仕事。。


「その願い聞き入れよう」


「ふわ? なんだ」


なんか声が聞こえたと思ったら、

突然足元から光が立ち上がってきた。。


なんだ。なんだ。


ま、まぶしー。


この日、一人のおっさんの存在が世界からきえたのだが、それに気づいたものはいなかった。




◇◇◇◇◇◇



「ここわ? ここH?」


ここは、どこだ?


なんか中性ヨーロッパ風の街並みだな。

建物は石造りだし、どの建物も低い。


いや、むこーに見えるのは城か?


ん?


なんか、ケモミミの人や、骸骨、きもい緑色のぐちゃっとしたやつもいる。


他にもたくさんの種族がいる。


もしかして、ここは。。


ステータスオープン


ぶおーん。


名前:オーサン

職業:ぱいそん使い

HP:10

力:10

防御:10

魔法:10000

魔法防御:100

スキル:ぱいそん、vssこーど


異世界。。


神様、40のおっさんを異世界に飛ばしてどうするつもりですか?


それにしても、魔法タイプか。


スキルはぱいそんと、vssこーど。


おっさんはぱいそんのプログラマーだったけど、


ぱいそん、vssこーど。


異世界でどうするんだ?


「おい、お前」


「え?」


誰だ?


声が聞こえたので、振り向く。


こわもてのおっさん3人が、じろりとおっさんを見ている。


超怖い。

課長も怖い怖いと思ってきたけど、

怖さの種類が違う。


対応を間違ったらぶっ殺してきそうな怖さ。


そんなものを日本で感じたことはなかった。


せいぜい給料が減るくらいだった。


逃げないように部下らしき2人が

おっさんの逃げ道をふさいできた。


そんなことしないでも逃げないのに。。


軽装鎧とでもいうのだろうか、軽そうな鎧を着て、腰には剣をぶら下げている。


あれで切られたら痛いんだろーなー。


兜からは鋭い眼光がのぞいている。


ぶるぶる。。


「お前、どこのものか? ここの民ではないな」

一番えらそーなやつが聞いてくる。


「ええ、遠くの国出身なのですが、」


「証明はできるか?」


「え? 証明とはどうしたらいいですか?」


証明だと、そんなことできないに決まっている。


「その国が発行した旅券をもっているか聞いている」


あ、おわた。。


「……持ってないです」


がし。。


こわもてなおっさん2人が腕をがっしりと

つかんで離さない。


「連れていけ」


「「はっ」」


「いや~~~~~~~~~~~」



◇◇◇◇◇◇



「突撃~~~~~~~~~~」


物思いにふけっていると後方からおっさんの

死刑宣告が聞こえてきた。


「突撃~~~~~」


近くにいたケンタウロス風のおっさんが突撃とさけびながらいの一番に飛び出していく。


「うぉうぉーん」


次に続いたのはオオカミ風のやつらだ。

足の速そうなやつらがどんどんと続いていく。


最後に、


「おお~~~~~~~~~~」

「おお~~~~~~~~~~~~~~」

「おお~~~~~~~~~~」


緑いろの気持ちの悪いやつとか、背の低いおっさんがのたのたと続く。


このままでは後方のやつらに踏みつぶされる。


「くそが~~~~」


おっさんも飛び出した。


のたのたしたやつらに続いていく。


ひゅん。


「うわ」


風切り音が聞こえたと思ったら、

すぐ左を走っていた緑色のおっさんが

脳天に弓矢を受けて前のめりに倒れた。


後ろにいるから安全とはいえないのか。


くそ、くそ。


はーはー。


弓がひゅんひゅんと飛び、前方を走っていたやつらにもどんどんと命中していく。


一撃で死ぬやつもいれば、

うずくまってうめいているやつもいる。


ズドン、

ズドン、ズドン。


「魔法攻撃だぞー。気をつけろー」


そんな声が響くけど、どう気ををつけろって?


ズドン。。


ひゅーん。


いたいよう、いたいよう。


殺してくれー。


遠くを走っていたやつに直撃したようだ。


次々と魔法攻撃が飛んでくる。


ズドン、


ズドン、ズドン。


……くそが~~~~~~~~~


死んでなるものか~~~。


「ううぉ~~~~~~~~~」


ズドン。。。。。


「うわ~~~~~~」


すぐ目の前が光ったと思ったら、









うう。。。。。


ぴこん。。

魔法の解析に成功しました。

関数化します。


ぴこん。。

範囲魔法モジュールを作成。

関数を追加しました。


ぴこん。。

範囲魔法モジュールをインポートして、

爆裂魔法の使用が可能になりました。









































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