第5話 すくすく成長
-side アクシア-
それから、魔法を発動して爆睡、魔法を発動して爆睡を繰り返した。
最初に比べたら大分体力もついてきたと思う。魔法を使った事によって俺の起きている時間は格段に長くなった。
3日経った時、また新しい来客があった。人数は2人。片方の年齢はがっつり鍛えられた肉体を持った威圧感のある30代くらいの男性。氷の鉄仮面でも被っているのかと思うくらい美しい顔立ちをしている。もう片方は、7歳くらいの男の子。2人とも黒っぽい緑色の髪に緑色の目で、こちらも整った顔をしている。親子ーって感じ。
「アクシア~!元気かな~?」
氷のお兄さんの印象がいきなりガラガラガッシャーンと崩れた。お兄さんの方が、満面の笑みで俺を丁寧に優しく撫でる。手があったかくて気持ちがいい。
少年の方は何も言わずに、ぷにぷにと俺のほっぺを触っている。
とりあえず、薄々誰かは分かっているけれど、鑑定。
名前:ルイス
種族:人間
魔法:不明
スキル:不明
参考:シュタイン辺境伯、剣聖、脳筋、家族思い
詳細
お兄さんの方はやはり俺のパパみたいだ。今世でのパパはとてもかっこいい人らしい。見た目はちょっと怖いけど、強くて優しそう!……脳筋らしいけど。
もう一人の子も鑑定っと。
名前:テオ
種族:人間
魔法:不明
スキル:不明
参考:辺境伯次男、秀才、ツンデレ、家族思い
詳細
ほほう……、お兄ちゃんはツンデレなのか。この見た目でツンデレ……これは女子は放っとかないでしょうな。
秀才なのも将来有望だろう。長男のフィル君が、凡人、マザコン、ブラコンと出て、ちょっと心配な感じだったから、この兄がいてくれて良かった。ぜひ、テオ君にはフィル兄を支えて欲しいろころだ。
異世界に来たからには、色々な場所を巡ったり、美味しい食べ物を食べたりしたいから、将来、俺は冒険者になりたいと思っている。テオ兄がいたら、俺も安心して色々なところに冒険が出来るというものだ。
気が早すぎるかもしれないが、漠然とそんな将来の事を考えながら、この人達の事をぼけーっと観察する。将来のことは早めに考えるに越したことはないもんね!
そして、またスピースピーと寝て、次に起きた時は、パパとテオ兄ちゃんは帰っちゃっていなかった。2人とも忙しいのかな?
いつか、2人とも沢山お話しできると思った今日だった。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
そこから、1ヶ月くらい経った頃だろうか?
徐々に俺の起きれる時間が増えたおかげで、ママンが俺のために沢山本を読んでくれるようになった。
この1ヶ月間、分かったことがある。
俺はシュタイン辺境伯という一家の、5兄妹の内、4男に転生した。長女は海外に留学中。3男は文官になるための、王都にある専門的な初等教育を受けられる学校にいるため会えていない。
どっちにしろ、最近ようやく笑えるようになったばかりで話せないから、会えなくても全然問題はない。3男と長女と会う時までには、はいはいやちょっと言葉を発声できるようになっていたらいいな。早くみんなと意思疎通を図りたい。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「まーま!!」
「ママですよ~!」
「パーパ!」
「パパだよ~!」
そんな事を思いながら、さらに3ヶ月が過ぎ、腹ばいから座る事が出来るようになり、8ヶ月後には一人で立つ事が出来るようになった。短い言葉だったらだいぶ意思疎通も可能になってきたし、魔法も初級魔法をママンに教えてもらって出来るようになった。今はハイハイして動き回るだけだが、歩く練習も最近では始めている。
歩けるようになったら、行動できる範囲が、大幅に広がるもんね!頑張ろーー!
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