死んだ友人に会える夢
朝
夢でもいいから
人は生活で起きた出来事や記憶を、整理するために夢を見ると言う。
昼間に考えていたことが、夜の夢に現れるのはつまりそういうことだ。
だから見たい夢を目指して、常日頃考えていればいいのだ。
毎日毎日考えていれば、死んだあの人に夢で会えるかもしれない。
友人が死んだ。
幼いころから大人になるまで、毎日つるんでいた友人だ。
私は親友だと思っていた友人の死を、風の噂で聞いた。
すぐに家に向かったが、家族は私を門前払い。
私は線香すらあげられなかった。
毎日スマホにかじりついて、友人の痕跡がないかネットの海を彷徨った。
なまじ付き合いが長いために、ブログに使いそうな名前、載せていそうな写真はよくわかっている。
少しでもいい。
本当に死んだのか、それだけ知れればいい。
もし生きていて、私とは連絡を取りたくないと言うならそれでもいい。
死んだのなら、その理由を少しでも綴っていてほしい。
何年も、暇さえあれば友人のことを調べた。
それでも私は何も知ることができなかった。
そろそろ友人に縋り付いたって無駄だろう、と思い始めたころ。
私は夢でもいいから友人に会いたいと考えるようになっていた。
毎晩、友人の言ったこと、したこと、遊んだ場所を思い出す。
なんと無駄なことだろう。
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