第2話
散々泣いた日の翌日、僕はいつも通りに学校に登校する。
泣いた後、気付いた事が2つあった… 1つは僕は泉の事が自分でも思ってた以上に大好きだった事と、もう1つは思いっきり泣くと心が何だかスッキリする事だった…
泉が告白し、赤坂先輩と付き合ったという話は既に学校中に広まっていた…
僕が教室に入るとクラスメート達の話はその話題でいっぱいな様子だった…
「おはよ〜!!凪斗 元気か?」
「実か おはよう…」
朝から元気よく挨拶してきた人物、それは僕の唯一の友達、岡前実である。
僕は1人が好きな性格なので、友達はあまり作らなくて良いと思っていたが入学当初にこの実に鬼絡みされて、いつの間にか友達と思える位に仲良くなっていた。
実は明るい性格で、すぐに誰とも仲良くなってしまう。 もちろん僕と違って友達も多い…
「泉の事は何だ… どんまいだな… 生きてりゃ失恋する事もそりゃあるよ」
「あぁ…ありがとな実」
実は、僕が泉の事が好きだと言う事を知っていた…元々僕のこの気持ちを誰かに言うつもりは無かったのだが、実は察しが良い奴で僕のこの気持ちも気付かれてしまった。
「みんな、おはよ〜」
次に登校してきた人物…それは今話題沸騰中の泉だった…
「泉おはよ!! 赤坂先輩との事、聞かせて貰うわよ!!」
「いずみん、先輩と付き合ってるってマジ?」
「高橋さん……俺はショックだ〜!!」
泉が教室に入った瞬間、クラスメート達は泉に赤坂先輩との関係について聞いていた…
泉はしっかり者で、美人な人物なので、皆からの人気も凄かった…
泉と赤坂先輩の熱愛報道に対する皆の反応はそれぞれで、応援する者、泉に恋してた者はショックと泣き出す者、皆それぞれだ…
泉が皆の反応に返していってると、チャイムがなり、ホームルームの時間がやってきた…
先生が教室に入るなり、皆は泉の元から離れ、各自分の席につく。
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それからの時間は、何だかあっという間だった… 朝の授業を4時間受け、今はもう昼休みだ。
いつもなら、朝のホームルームの時間からこの昼休みまでの時間は凄く長いように感じていたのだか、今日は何故かいつもより数倍早く感じた…
僕は教室を抜け出して、学校の裏庭でお母さん手作りのお弁当を食べる。
実は他の友達と食堂で食べ、泉は昼休みまで続いていたクラスメートの質問攻めから、赤坂先輩とご飯を一緒に食べる約束があるからと言う理由で抜け出し、屋上に向かっていた…
僕は裏庭の景色を見ながらお弁当を食べる…
「何だか、あまり味がしないな…」
失恋の影響からか、いつもなら美味しく感じるお弁当の味があまりしない…
まだ引きずってる自分の気持ちにため息が出てしまう…
「ため息出しちゃって、どうしたの? 失恋?」
「ん?あぁ…って誰?」
僕に突然話しかけてきた人物を見やると、女の子だった…もちろん僕が通ってる高校の制服を着ている。見てみると髪は長く茶髪で、長身でスタイル良く、顔はつり目美人ってやつだろうか?
目がつり目だった。
美人だが、泉とは違った美人… ギャル美人なようにも思える…
「人に名前を聞く時は、まずは自分から名乗るのがマナーだと思うのだけど?」
「ん? あぁ…すまない 僕の名前は塩宮凪斗… 高1だ」
「へ〜塩宮君っていうんだ〜 よし!!しっかりと覚えた!!」
「そんなしっかりと覚えて貰わなくても良いよ 君との絡みなんて、これっきりかも知れないし…」
「ありゃ? ネガティブな発言だね〜 そんな調子だと女子にモテないぞ☆」
美人ギャルにそう言われる… でも確かに今の発言は自分でもネガティブだったかも知れないという自覚がある…
失恋してるからかネガティブ現象にあるのかも知れない…
「そういや、まだ僕、君の名前聞いてない気がするんだけど、今度こそ教えて貰っても良いか?」
「ん? あっ そういや言ってなかったね〜 コイツは失礼しやした〜☆」
そう言って美人ギャルは、頭をふざけた感じで下げる
「私の名前は〜村上夏樹!! 塩宮君と同じ高1だよ〜☆ よろしくね〜」
美人ギャルは明るく自分の名前を名乗った…
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