第49話 しっかりせぇや、おかん!

俺のおかん



おかんもたまには出かける


仕事の打ち合わせとか何やゆうて出掛けて行ったある日の夜



突然おかんから電話が……



「後三十分で駅着くわァ迎えきて」



出たぁ……いつものヤツや


渋々駅まで迎えに行ったけど、


おかん、全然おれへん




(え、何で?)




電話かけても繋がらんし


仕方がないから家帰ったけど、


心配なって鬼電するも……



「あかん、やっぱり繋がらん」



二時間経ち、おかんからの電話



「え?おかん何処おるん、大丈夫なん?」


「なんか知らんけど、一駅しか進ん

でへんねん〜」



いやいや、二時間以上かけてひと駅っておかしいやろ


異世界行ってた?



「後五十分で着くからヨロシク!」


「……おう」



おかん今度はちゃんと駅に現れてホッとするけど、あまりにもケロリとした顔がにくそい



「皆んな心配しとったんやぞ!」


「おかしいな〜、狐につままれたみたいやなァ」


「こっちがな」





結局、おかん酔うて寝てたみたいで


駅を往復しとったらしい……


ひと駅二時間じゃなくて良かったわ


いや、


いっその事もう異世界行ってくれ!




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