第5話 結局雑魚
ー翌日ー
ドンドンドンドン!
(…ぅん……何だ?こんな朝早くから…)
昨日、俺は部屋に帰った後結局また寝てしまった
「ふふぁ~あ。はーい、今出まーす」
大きなあくびをしながら
(…誰だ?アイシャかな?)
ガチャ
「初めまして転入生、そして早くしろ転入生」
「へ?」
扉を開けたら見た感じ25才から30才ぐらいの女の人が立っていた
「何を
「え、あ、え、す、すみません」
「だったらとっとと着替えろ!初っぱなから遅刻するぞ!」
「わっ、わ分かりました!す、すみません!」
バタン!
「…」
(何だ何だ何だー!?朝から一体何なんだ?
あいつは誰なんだ?何で急に怒られるんだ?)
扉の前でまだ回ってない頭を抱える
(とりあえず急ぐか。また怒られたくないし)
急いでたんすから制服を取り出して着る
(制服着るなんて何年ぶりだ?大人になったらやっぱり懐かしくなるもんなんだな…)
「んで?…他には何を持ってけばいいんだ?」
教科書の束の上に時間割みたいな物が置いてあるが読めない
「あ~もう全部持ってくかぁ、忘れて初日から恥かきたくねぇし」
急いでバックの中に教材を詰める
「あと残ってるのは…剣か…」
厨二心がくすぶられたので試しに構えてみたが想像より重い
ドンドンドン!
「何をしてる!はやくしろ!」
「あっ、今行きます!」
剣を急いで腰に差してドアを開ける
「随分と時間がかかったな。ん…?何で教科書全部を持ってこうとするんだ?時間割が無かったのか?」
俺のパンパンに膨らんだバックを見て言う
「あ、いや時間割はあったんですけど、自分、字が読めなくてー…」
「…なる程。だが今日は教材は要らんぞ。体力測定しかしないからな。置いてこい」
「はい!分かりました!」
ガチャ
ポイ!
ガチャ
「……。じゃあ行くぞ」
「はい!」
(……。やべー、めっちゃ先生厳しい所に拾われちゃった。受け応えほぼ軍隊やん)
「一応お前には説明しておこう。今からお前が通うのはリベルシア王国国立のルベニア学園という学校で、国中から将来冒険者や騎士を目指す者達が集まる4年制の学校だ。」
「はい!」
「…。いちいち返事をしなくていい…」
「はい!」
「…。続けよう。お前今いくつだ?」
「え、あ~え~と」
(流石にこのルックスで40は無いよなぁ)
「17です」
「そうか。じゃあ4年生だな。あと1年しかないが頑張れ」
(えぇ~まじか~、折角学生ライフを満喫出来ると思ったのに…)
「あとクラスについても説明しておこう。基本的に0,1,2,3組の全4組で構成されていて、この学年は1~3組は各組20名、0組は4名となっている」
「何で0組だけ人数が少ないんですか?」
「基本的にクラスは組数が若いほど優秀な奴がいるが、0組は1組の奴らと一緒に学ばせるにはあまりに実力が違い過ぎて本来は存在しないクラスを特別に設立さしてる化け物達がいるっていう斜め上の位置付けだからな。」
「ちなみにこの前お前のことを助けたのはその0組の化け物達だぞ」
(…ってこはアイシャも0組なのか…凄いな…)
「まぁお前も校長に見込まれているから、もしかするとその0組に入れるかもしれんがな」
「…」
学校の敷地は広くしばらく歩いてやっと校舎に入った
校舎は建て替えたばかりなのか比較的綺麗だった
「ここの教室だ」
そう言って先生(?)はとある教室の前で立ち止まった
「ついてこい」
そう言うと部屋の中に入っていった
(…?これから何をするんだ?てっきり自己紹介でもすんのかと思ってたけど…)
「今からお前の魔力の色と魔力の出力、及び魔力保持量を量る」
(魔力…ファンタジーの世界でよく聞く魔法を使うためのエネルギーみたいなもんか。
魔力の出力と魔力の保持量の意味は多分文字通りだな)
「…?魔力の色?」
「そこからか…。魔力には色がある。
赤、青、紫、茶色、緑、水色、薄緑、黄、白の全9色、そしてそれぞれの魔力によって使える魔法が違う。赤は炎熱、青は水、紫は死、茶色は岩石、緑は生命、水色は氷、薄緑は風、黄色は電気、白は神聖魔法と言った具合にな…」
「なる程…」
「じゃあ早速この剣を構えてくれ」
そう言われておれは剣を渡された
「何ですか?この黒い剣」
「その剣は持った時に持ち主が持つ魔力の色に合わせて色が変化する。例えばお前が赤色の魔力を持っていたらこの剣は赤色に変化する」
剣を構えてみる
(ドキドキするな…何色になるかで使える魔法が決まるんだろ…個人的には格好いいから炎熱魔法か電気魔法使いたいな…死と神聖は…なるべく避けたいけどぶっちゃけ何がきても嬉しいな…。ー!まさかここで異世界漫画の王道展開来るか?普通は一色にしかなんないけど虹色になってお前は天才だ!みたいな…それで学校でチヤホヤされて…モテまくって…)
「おかしい…無反応だな」
「へ…?」
剣を見てみるが黒色から色が変わってない
「この剣がおかしいのか…?こっちの剣を持ってみてくれ」
剣を取り替えてみる
が、構えてみてもこっちの剣も黒色のまんまだ
「……?どういうことだ?」
先生が戸惑っている
何だかイレギュラーなイベントが起こっているのは分かった
(まぁそれがプラスの方向に向いていることを祈るけど…)
「…一旦この水晶に触れてもらえるか?」
「あっはい」
水晶に触れてみる
すると水晶の下にあった石板が何やら数字を写しだした
「どれどれ?何て写ったんだ?…1?」
「1だと?私にも見せろ……、…ほんとに1だな…なる程…だから黒から変化しなかったのか…」
「1って何が1何ですか?」
「…非常に言い辛いが…それは魔力の出力と保持量をスコア化して合計したものだ。この学校の生徒は3組の生徒でも大体10000は超えるものなんだが…」
「えっ、えっとつまり?」
「まぁつまりはお前は魔力がほとんどないし、出力もたいして出来ないって事だ…さっきの剣が黒から変化しなかったのもお前の魔力の出力が弱すぎて反応しなかったのが原因だ。」
「…」
どうやら俺は根本的に魔術の才能が無いらしいことは理解できた
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