第15話 とある男の記録
「穿て」
刹那、俺たちの視界は白い闇へと包まれた。
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とある女エルフの抹殺
それが俺に課された任務だった。
俺たち龍の一族は武を極め、義の心を誇りとする。
そのため非人道的な行為は一族の掟に反するとされ、群雄割拠の時代であっても我ら一族は争いに参加することは一度もなかった。
しかしそんな中でも今の一族の情勢を良いと思っていないものたちが集まり、武の衰退を阻止するために活動しているのが俺が所属する組織だ。
そんな俺に言い渡された命令が抹殺、しかもエルフ族の女ときた。
元来、エルフ族は唯一精霊と交信できる神聖な一族だとたたえられていた。
それは現在も変わらず、もしも殺しが発覚しようものなら死刑とかそんな生ぬるいものでは収まらない。
俺に限ってしくじることはありえないが、エルフは希少な種族として他国へ渡るときに護衛として二級指定ほどの騎士をそばにおくらしい。
普通に戦えばまず勝てないが、策はいくらでもある。今回の任務、成功は確実だろう。
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入学して一週間ほどが経過した。
ソフィア・スタッフォード
それが今回のターゲット。
護衛も目星がついた
アレス・クリフォード
学院創立以来初の推薦入学者らしい。
実力の程を見たかったが当の本人が一向にそれを披露しない。
おかげで現在に至るまでわからずじまいだ。
しかし、先日冒険者ギルドへと出向いたところとある冒険者からリーデル帝国学院の新入生がオークを討伐したという情報を得た。
新入生とはアレス・クリフォード、彼のことだろう。時期的にも確実だ。
確かに15という年齢でオーク討伐は立派な偉業だろうが、俺からしたら大したことはない。初戦は人間の餓鬼だ。
真っ向勝負で俺の勝利は揺るがないだろう。
しかし万が一ということが起こりうる。準備は怠らないのが常だろう。
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