第155話 美味しかった記憶
『
【入手がそこそこしやすくて、ぬいの味の好みにも合う、レア素材ですか…】
「難しいですね」
「
「
「私の不良在庫なら単純なんですけど」
「
「
【駄目ですからね蒼唯様】
「分かってるです。ぬいたちがグルメに成りすぎても困るです」
蒼唯が造ったアイテムを与えると言う方法も無くはない。現に蒼唯が造ったが、使わないまま倉庫の肥やしになっているアイテムはそれなりにある。
ただそれを与える案はあれこれ理由をつけてリリスが止めた。蒼唯のアイテムによる『食トレ』は、ある意味最高のトレーニングになるとは思うが、意味不明で制御不能な強化が乱立する未来しか見えないためである。
「ぬいたちがこれまで食べた中で美味しかった一番は、やっぱり『
「
「
一番と言われると悩む2匹。これまで良さげな素材を沢山食べてきた証拠である。
そんな中、まっくよが一つの食材を思い出す。
「
「
【それ、私のダンジョン食べたときの思い出ですか! 駄目ですよ。駄目ですからね!】
『悪夢の国』を崩壊寸前まで食べ尽くした際の記憶を思い出し、舌なめずりをするまっくよに、まだダンジョンは食べたことが無いため興味を示すぬい。
ダンジョンはダンジョン核とダンジョンマスター、そして復旧に必要なだけの魔力さへあれば半永久的に食べ続けられる点と、色々な種類があるため飽き難いだろうという点で条件に当てはまっている。
しかしリリスは大反対である。ダンジョンマスターとしてもぬいたちのブレーキ役としても停めざるを得ないのだが。流石に『
「ダンジョン食いですか…リリスのダンジョンは夢で出来てるですかはね、ふわふわで美味しそうな気もするです。普通のダンジョンも美味しいです?」
「
「
【あ、蒼唯様まで】
まっくよがダンジョンを食べられた要因は、夢を食べられるスキルを所持していたからである。
そういった食べる系のスキル無しにダンジョンを食べられるのかという問題がある。
「でもダンジョン食べちゃったら、お願いしてる素材集め出来なくなるです?」
「
「まあちょっと摘まむくらいなら良いかもですけど…」
【蒼唯様!?】
この流れは不味いと直感するリリス。何とか軌道修正を試みるも完全には止められないのであった。
【ダンジョンを壊し過ぎると柊様方から苦情がきますよ】
「確かにです。なら取り敢えずぬいたち専用のダンジョンでも造るですから、そこを食べるようにするです。私の造るダンジョンは普通より大分小さいですから少食で頼むです」
「
「
その後、蒼唯家には『お菓子部屋』という新たなダンジョンが創造され、ぬいたちには『迷宮喰い(少食)』というスキルが生えたのだった。
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