壱与と修一の時系列

 各話のあらすじと時系列まとめ


 第1話 『扉』 (2024年6月8日)


 考古学講師の中村修一は趣味の古墳巡りで長崎県の宮田遺跡を訪れる。地震で石室に亀裂が入り、奥に隠された石室を発見。そこで眠るような若い女性・壱与を見つける。彼女は目を覚まし、自分が邪馬壱国の壱与だと名乗る。


 時系列: 2024年6月8日(土)


 第2話 『邪馬壱国の壱与』 (2024年6月9日)


 壱与の言葉が古代日本語であることに驚きつつ、修一は彼女とコミュニケーションを試みる。壱与に現代の食べ物を与え、状況を説明しようと試みるが、彼女は自分が正元二年(255年)にいると信じている。


 時系列: 2024年6月9日(日)


 第3話 『吉野ヶ里遺跡と歴史の矛盾』 (2024年6月9日)


 修一は壱与を連れ、現代の街や高速道路を見せることで時代の違いを理解させようとする。吉野ヶ里遺跡に連れて行くが、壱与は自分の時代と誤解する。修一は壱与を自宅に連れて帰ることを決意する。壱与の遣使の記録と現状の矛盾に修一は疑問を抱く。


 時系列: 2024年6月9日(日)


 第4話 『烏丸鮮卑東夷伝倭人条』 (2024年6月10日深夜)


 修一は壱与の出現と歴史の矛盾について考察し、「壱与影武者説」を立てる。壱与が現代に来た理由、邪馬壱国の領土規模と現在の長崎の人口の矛盾など、多くの謎に直面する。


 時系列: 2024年6月10日(月)深夜


 第5話 『西暦255年』 (2024年6月10日 AM7:00~PM12:00)


 修一は壱与に元の時代に戻りたいか尋ねる。二人は再び宮田遺跡へ向かう。修一は遺跡で金属板を発見するが、地震が発生し、状況が一変する。


 時系列: 2024年6月10日 AM7:00~PM12:00


 第6話 『女王壱与のいた(いる)世界』 (AD255/7/4⇔2024/6/10/12:00)


 修一と壱与は255年の宮田遺跡に戻っていた。壱与の近衛兵長・伊弉久が現れ、壱与が行方不明だったと告げる。修一は20歳に若返っていることに気づく。二人は時間を超えて行き来したと推測する。


 時系列: AD255年7月4日⇔2024年6月10日12:00


 第7話 『邪馬壱国の都、方保田東原の宮処』 (AD255/7/5⇔2024/6/10/13:00)


 修一は壱与と共に邪馬壱国の都へ向かう。道中、人々は壱与を女王として敬う。修一はこの世界で生き残るため、壱与との関係を維持することの重要性を認識する。


 時系列: AD255年7月5日~12日⇔2024年6月10日13:00~20:00


 第8話 『邪馬壱国のイツヒメ(伊都比売)とミユマ(彌勇馬)』


 修一はゲンノショウコを発見し、お茶を作る。壱与と女官長・イツヒメに現代の知識を共有し始める。壱与はイツヒメに修一の秘密を明かす。


 時系列: AD255年7月15日⇔2024年6月10日23:00~ (数日間経過)


 第9話 『大官彌勇馬と邪馬壱国の国際情勢』


 邪馬壱国大官・彌勇馬が帰還し、狗奴国との緊張関係を報告する。修一は現代の知識を活かし、外交戦略を提案する。


 時系列: AD255年7月25日⇔2024年6月11日09:00


 第10話 『鉄と帆船』


 修一はスズから鉄を作る方法、帆船の構想を壱与たちに伝える。漢字の存在に気づき、空白の四世紀の謎との関連性を考える。


 ※スズ(錫)とは、この文脈では金属元素の錫ではなく、イネ科植物、特に葦などの根に水中のバクテリアの働きで生成される褐鉄鉱の塊を指す。この褐鉄鉱は、精錬することで鉄を得る事ができる。


 スズ(錫)がおめでたいものの象徴とされるのは、鉄の生成に関わることから。また、葦などを振るとカラカラと音が鳴ることから、鈴の語源になったとも言われている。鈴の音は霊力を持つと信じられ、より多くの鉄が得られるように願う際に用いられた。


 この褐鉄鉱はパイプベンガラとも呼ばれる。


 時系列: AD255年7月25日⇔2024年6月11日09:00 (継続)


 第11話 『卒善中郎将の掖邪狗(エキヤク・ヒエシエコ)』


 現代で修一の失踪が騒ぎになる一方、弥生時代の修一は壱与と帆船建造の成功を喜ぶ。壱与は国の記録を残すため弥馬壱国伝を編纂させていることを明かす。魏への遣使と人材登用のため、掖邪狗が出発することになる。


 時系列:


 2024年6月12日(水) 15:00 九州大学


 正元二年七月二十五日(AD255/8/25⇔2024/6/12/15:00) 弥馬壱国 方保田東原宮処


 第12話 『失踪した先生を捜せ - 研究会メンバーの決死の調査』


 弥生時代で生活する修一は故郷への思いを募らせる。現代では、修一の教え子である研究会メンバーが、修一の失踪を心配し、手がかりを求めて長崎の宮田遺跡へ向かうことを決意する。


 時系列:


 正元二年八月二十五日 弥馬壱国の宮処


 2024年6月13日(21:00) 福岡市内の居酒屋


 第13話 『2024年の宮田遺跡と正元二年の宮田邑』


 研究会メンバーは宮田遺跡に到着し、修一の車と切断されたロープを発見。遺跡内で地震に遭遇し、目を覚ますと周囲の様子が一変していた。


 時系列:


 2024年6月16日(日) 11:00 長崎県 宮田遺跡


 正元二年十一月一日(255/12/1⇔2024年6月16日12:00) 已百支国 宮田邑


 第14話 『已百支国にて虜囚となる?』


 研究会メンバーは古代の兵士に遭遇し、襲われそうになる。比古那が兵士を殺害し、一行は森へ逃げる。


 時系列: 正元二年十一月一日(継続)


 第15話 『已百支国にて如何に生きる?』


 森に逃げ込んだ一行は洞窟を発見し、そこで夜を明かす。美保の持っていた釣り道具で魚を釣り、食料を確保する。


 時系列: 正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00)


 第16話 『村の子供と長老』


 比古那と尊は森で子供たちと出会い、チョコレートで交流を深める。そこに村の長老・難升米が現れる。


 時系列: 正元二年十一月二日(継続)


 第17話 『卑弥呼の使い、難升米』


 長老ナシメの家に招かれた一行は、彼と筆談でコミュニケーションを取る。ナシメは修一と同じ服を着た者を知っていると告げる。


 時系列: 正元二年十一月二日(継続)


 第18話 『兵士と先生と弥馬壱国と壱与』


 ナシメは修一が弥馬壱国へ行ったことを伝える。兵士たちがナシメの家へやってくるが、すぐに立ち去る。


 時系列: 正元二年十一月二日(継続)


 第19話 『弥馬壱国へ』


 一行はナシメと共に弥馬壱国へ向かう。数日間の旅の末、伊邪国で悪天候のため足止めされる。


 時系列: 正元二年十一月三日~八日(255/12/3~8⇔2024年6月16日14:00~19:00)


 第20話 『お前は誰だ』


 一行は弥馬壱国の都に到着。翌日、女王・壱与との謁見が叶う。壱与は修一を呼び、6人の正体を見極めようとする。修一は6人を見て驚くが、若返った自分の姿に気づいていない彼らの言葉に混乱する。


 時系列: 正元二年十一月九日(255/12/9⇔2024年6月16日20:00)


 第21話『信じられないかもしれないが、オレは中村修一だ』


 タイムスリップした大学生6人は、若返った顧問・中村修一と再会。修一の言動に戸惑いつつも、弥生時代で生き延び、この時代で何ができるかを考える。


 時系列:正元二年十一月九日(255/12/9⇔2024年6月16日20:00)


 第22話『鉄と帆船と大陸の話』


 修一は生徒たちに、自身がこの時代に来た経緯、そして帆船や製鉄技術の導入について語る。さらに、狗奴国との対立や大陸との関係について説明し、弥馬壱国を強くする必要性を説く。


 時系列:正元二年十一月十日(255/12/10⇔2024年6月16日21:00)


 第23話『狗奴国王日出流と熊襲帥』


 狗奴国では、弥馬壱国に現れた異国人の噂を聞きつけた日出流王と熊襲帥が、その正体を探ろうと画策する。一方、弥馬壱国では、壱与と修一の親密な様子に、生徒たちは驚きを隠せない。


 時系列:正元二年十二月十四日(256/1/14⇔2024年6月18日8:00)


 第24話『車輪と家畜と道路』


 修一は壱与に車輪や家畜の重要性を説明し、農業技術の向上や運搬効率の改善策を提案する。生徒たちもそれぞれの専門知識を活かし、弥馬壱国をより良くしようと努力する。夜、壱与は修一に一緒にいてほしいと告げる。


 時系列:正元三年一月十六日(256/2/16⇔2024年6月19日16:00)


 第25話『壱与とデート』


 修一は壱与とデートに出かけるが、親衛隊と女官長に同行されてしまう。市場を散策し、街の変化を感じながら、二人は親密な時間を過ごす。壱与は日弥呼が結婚していた事実を修一に明かす。


 時系列:正元三年二月十六日(256/3/16⇔2024年6月20日20:00)


 第26話『石室の秘密』


 修一たちは壱与と共に已百支国の宮田邑へ行き、時間移動の秘密を探るため遺跡の調査を始める。


 時系列:正元三年三月十六日(256/4/16⇔2024年6月22日00:00)


 第27話『故郷と異世界』


 遺跡調査中に再び地震が発生し、修一は元の年齢に戻る。そして、彼らは現代に戻ってきたことに気づく。喜びに沸く生徒たちだったが、壱与たちの存在に複雑な思いを抱く。


 時系列:正元三年三月二十四日(256/4/24⇔2024年6月22日07:30)


 第28話『時間が、違う。』


 現代に戻った修一たちは、5ヶ月間の不在による現実の問題に直面する。修一は、弥生時代の時間の流れと現代の時間の流れのずれに気づく。


 時系列:2024年6月22日(07:30)


 第29話『5ヶ月後の世界:現代~弥生~現代の漂流者』


 修一たちは、警察や大学への連絡、住居の確保など、現代社会への復帰に奔走する。壱与たちは現代社会に驚きながらも、修一たちを支えようとする。


 時系列:2024年11月9日(12:00)


 第30話『貴金属違法ブローカー樋口勇作』


 修一は幼馴染の貴金属ブローカー・樋口勇作に協力を求める。勇作は防衛省の特殊事象対策室の存在を明かし、東京行きを提案する。


 時系列:2024年11月9日(13:00)


 第31話 『特殊事象対策室(SPRO・スプロ)』


 修一と生徒6人、そして弥生人である壱与、イツヒメ、イサクは、勇作の案内で特殊事象対策室(SPRO)の秘密施設へと向かう。そこで責任者の藤堂からSPROの説明を受け、タイムスリップの影響を調べるための検査を受けることになる。検査の結果、壱与、イツヒメ、イサクの3人が弥生人であることがDNA分析で証明される。


 時系列: 2024年11月9日(20:00)〜11月10日(3:00頃) 東京


 第32話 『弥生人と現代人。SPROの裏工作』


 SPRO施設で一夜を明かした一行は、検査結果の説明を受ける。壱与、イサク、イツヒメが弥生人であることが科学的に証明され、イサクの剣も弥生時代のものと判明する。3人は現代社会に適応するための準備が必要となり、SPRO施設でしばらく過ごすことになる。SPROの情報管理部員・工藤の裏工作により、失踪事件に関する警察や家族、大学への説明も調整される。


 時系列: 2024年11月10日(13:00)〜 東京 SPRO地下施設


 第33話 『修一の若返りの秘密』


 タイムスリップ時に修一が若返ったという事実が明らかになり、SPROの研究員たちは驚く。修一の細胞を分析した結果、20代相当のテロメア長と現在の年齢相当の部分が混在しているという異常な現象が確認される。タイムスリップ発生時の地震と磁場の乱れ、そして満月との関連性も指摘され、修一の特異な体質がタイムワープと若返りに関係している可能性が浮上する。


 時系列: 2024年11月10日(15:00) 東京 SPRO地下施設


 第34話 『SPRO施設での日々と東京見物』


 SPRO施設で約1週間過ごすことになった一行。壱与、イサク、イツヒメは現代社会に適応するための講習を受け、イサクは剣の代わりに護身用の特殊警棒を持つことになる。翌日、一行は東京見物に出かけることになり、まずは新宿御苑を訪れる。修一は再び弥生時代へ行くことになった場合に備え、必要な物資の準備リストを作成する。


 時系列: 2024年11月11日(14:00)〜 東京 SPRO地下施設、新宿御苑


 第35話 『東京見物と修一の決意』


 新宿御苑で紅葉を楽しんだ一行は、昼食をとるために御苑を出て、中華料理店へ向かう。修一は再び弥生時代に行くことになったら、現代の技術や知識を持って行くことを決意し、準備を進める。


 時系列: 2024年11月12日(12:00)〜 東京 新宿御苑


 第36話 『SPROの若き研究員』


 東京観光を終え、SPROに戻ってきた一行は、研究プロジェクトの主任・城ヶ崎結月と出会う。結月は物理学と考古学の博士号を持つ若き研究員で、タイムスリップ現象の解明に意欲を燃やす。修一達は警護チームの杉主任から、弥生人の存在が外部に漏れた場合の危険性について説明を受ける。


 時系列: 2024年11月12日(17:00)〜 東京、SPRO地下施設


 第37話 『タイムワープの謎に迫る』


 SPROの研究施設で、結月博士主導のもと、タイムワープ現象の検証が始まる。これまでのタイムスリップ事例を時系列で整理し、共通項として「強い地震」「密着状態」「強い感情」が挙げられる。しかし、イサクだけが壱与と同時に現代に来られなかった理由について議論が交わされ、タイムワープには「石室の中にいる」という場所の条件も必要であるという結論に至る。


 時系列: 2024年11月12日(20:00)〜 SPRO 地下施設


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る