第十話 Go to hell! You devil called Ubilfeint! 3
「俺の真の目的は、コイツをブラド国で、『奴隷』として高く売るためだ。まあ、口実上悪魔の子を捉えたと、政府に言えばこの国では俺に罪には問われないからな。寧ろ悪魔狩りの賞金が貰えるから俺にとっては、一石二鳥というわけだ。勿論、良い稼ぎになる。」
こいつはほんと、ふざけてやがる。俺は色々と、察した。コイツはニンゲンの事を、利益のモノとしか、見えず、自らを悪の道に誘導した凄く、愚かで、稚拙な種族だということを。
人間を舐めやがって。
「は?ふざけんなよ。何だよそれ、お前は人を商売の利益になる様なものとしか思っていないのか?いったい人、生物の生命を何だと思っていやがるんだ?。物事を全部自分第一に考えてるんじゃねーよ。人の命は金儲けの為の道具じゃないんだぞ。それくらいわかれよ、お前も多分いい歳なんだからよー。人に迷惑掛けずに、独りでそのままタヒねよ、バーカ。」
「今更なにを言っても無駄だ。お前みたいな青い餓鬼が、一丁前に俺に無駄な説教をした所で、俺の意思はまったく変わらん。」
「くそっこんな時に異世界転生お決まりの超最強チート無双技(仮)が使えたら理想的なのだがな。」
「ははは、バカめ。俺を倒せる魔法など存在しないわ。お前如き、俺の相手にすらならん。」
今のところ結局はお互いは硬直状態である。しかし、引くどころか相手は明らかにこちらをそのまま殺る気満々である。この状態は、俺が勇気をだして、一歩踏み出すか、そのまま逃げるか、行動せずに死ぬか、まさにそんな最悪な状況だった。
因みに俺はカッコつけた事言ったが股ガタガタだった。バカはたとえ一度バカを見て死んでもとても格好がつかない。このことに少し手を突っ込んだ事を今更後悔し始めた。昔からそうだ。こう言う面倒なゴタゴタに、巻き込まれるのだけは勘弁なのにな。
「このあとどうすれば良いんだ。このままじゃ俺なんかに勝ち目ないぞ。もう一回死んで転生とかめんどくさいぞ。くっそー。ん?」
そういえばなんか右ポケットに物が入ってるぞ、と今更気づいた。
ポケットを試しにごそごそごそ漁ってみる。手に物が当たる感覚を覚えた。その物をよくみてみると.....ライトだ。
ライトか.....そいいえば夜道ひとりで歩く時危ないからって持ってたんだった。いやぁ、昔はいつも母さんが持たせてくれてたんだよなぁ。結構ちっちゃいやつだからさっき見た時気づかなかったぜ。多分外出る時にそのまま入れっぱなしにしたんだろうな。
ふふ、少し賭けだが今はこれをうまいこと使うしかねえな。
「ふははは、はっー、はっはっはっ。」
俺は不気味に笑い出した。相手からしたら気が狂ったのかと思われただろうな。
「は?」
「あはははは、おいそこの化け物。名前は何て言うんだ?」
俺はは明暗を持ち引きつった笑顔を見せながら不気味に問いかける。
せめて名前ぐらい聞いてやろうと、どの口が言ってんだってくらいの調子の良い事を思っていた。前の世界では何も出来なかったから、このよく知らない世界ぐらいは、少しだけカッコつけても多分許されるよな。
そして化け物はしばらくしたのち重い口を開く。
「俺様の名は、ユビル・フェイント.....貴様、俺の名などを知ってどうなる。」
「いや、何となく興味本位で聞いただけだ。意味は特に無い。」
「なに?ふざけやがって。小僧め。」
「ふふふ、ユビルフェイント‼︎それじゃあ俺が唯一使える魔法を一つ見せてやる。」
手を握り、少しばかり威嚇する。
「ふん、魔法か。お前の様な弱者が魔法か。ふん、面白い、実に面白いぞ。ならば今すぐ俺に、見せるが良い小僧。その自信に溢れた、魔法とやらをな。」
(よーしコイツ完全に油断してるな)
「それじゃあ、お構いなしだな。よーし、食いやがれ。足元も見えない暗い夜道、そんな中、ただただ一筋の闇を照らしてくれるのはそう、この小さなライトだー。」
「スイッチ、オン!!」
俺はライトを相手の眼に当てた。
ライトの光は直線に伸びそのままユビルの目に直撃した。
するとユビルは眼を思いっきり押さえた。
その後目をお前ながらジタバタもがき苦しみ始めた。
よく見るとコイツ、蒸発している。
少しこれをみて理科の実験を思い出す。
「なんだ?煙がどんどん出てくるぞ。あっ、もしかしてこいつ、光とかに弱いのか?」
「うがあぁぁぁぁっ、くそっ、くそう。下等生物のくせに.....」
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