第13話 耳当て

突然肩を叩かれた。

振り返ると友人がいる。


「呼んだのに全然気付かないし」

「えっ、ごめん」


耳当てのせいで聞こえなかったかな、と手をやると、人の指の感触。

誰かが両手で私の耳を覆っているような。


驚いて手を離し、もう一度触れると普通に耳があった。

耳当ては着けていなかった。

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