身勝手な天使

錦紫 三足

偶然のような必然

 やあ。初めて見る顔だね。って言ってもここには二度もこられないけど。

 ここで問題だ。君はなぜここにいると思う?

 夢の中だから?いいや違う。君は死んだ。明確には殺されたが正しいかな。

 さてもう一つ問題だ。ここはどこでしょう?

 そう。夢でもない場所で僕と出会うことができるのは、死後の世界のみさ。

 そして僕の前に今、君がいるのは、僕が君にを持っていたからさ。

 君の人生はなんともつまらないと初めに僕は思った。お金があるわけでもない。特別な才能があるわけでもない。だけど君は幸せそうな顔をしていた。

 そう。誰にも羨まれるものを持っていないのに。君は幸せだった。

 誰もがうらやむ美人な奥さんがいるわけでもなく、クラスの中心人物になれるような人柄でもなかった君が幸せだとは僕には思えなかった。

 だからここにつれてきたんだ。

 君はどうして幸せだったのか。

 それを知るためにここにつれてきた。

 ここでは君は喋ることができないね。

 だから君の思考を読む。

 安心してくれ。怖くない。


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