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ユリウスの高熱は結局3日3晩続いた。
途中でユリウスの両親とその侍従も合流し、交代でユリウスの看護に当たった。
「熱も下がって、魔力の放出量も少なくなりましたね。まだ経過観察は必要ですが、山場は越えたと思って良いでしょう。」
医者のひと言を受け、看護に当たっていた皆はようやく一息をついた。
「オットマー、シラー子爵夫人、ルフェルニア嬢、そして看護に当たってくれた先生、皆、心から感謝申し上げる。ありがとう。」
サイラスはアンナの肩を抱きながら涙声で頭を下げる。
「ルフェ、部屋を出よう。」
オットマーは、ユリウスとサイラス、アンナが家族の時間を過ごせるよう、部屋を退室しようとルフェルニアに声をかけたが、ルフェルニアは毎日の看病の疲れか、ユリウスの手を握ったまま眠ってしまっているようだった。
「無理に起こす必要はないさ。ユリウスも目が覚めた時、ルフェルニア嬢がいてくれた方が喜ぶ。」
サイラスは小さく首を横に振ると、アンナも続いて促した。
「だって見てくださいな、ルフェルニア嬢とユリウス、寝顔がそっくりだと思いませんこと?長く時を過ごして似てしまったのかもしれませんね。」
オットマーも仕方なさそうに肩をすくめて笑う。
窓辺から差し込む朝日が、枕元に飾られている青い花を美しく照らした。
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