テニスプレイヤーとロリィタ
マック
第1話
「結城宙(ゆうきそら)くん!!テニスコートで練習しているのをずーっと見ていました!!付き合ってください!!」
「は?俺彼女いるの知らねぇの?」
「しってる!!加上さんでしょ!!無理して付き合ってるのでしょ?!」
「俺、勝手に決めつけるような奴嫌いなんだよ」
愛子のところに行こうと歩いていたらいきなり呼び止められて、知らない同じ学校の制服を着た女になんか告白されて断ったらめちゃくちゃ嫌な気分になった。
愛子のクラスに行き、本を読んでいる愛子の前の席に行き、後ろ向きに座り愛子と向き合った。
愛子は本に栞を入れてカバンに突っ込んだ。
「愛子ー明日のデートどこにする?」
「ごはんはいつものファミレスでいいわ」
「いや、ファミレスはねーだろ」
「ファミレスがいい」
ツヤツヤとした髪の毛をふんわりと触り、手で頭をとかした。
愛子にキスしたいなぁと思いながら、見つめていた。
「ここでチューしたら怒るからね」
俺の心が分かったのか、愛子に言われてしまい顔をそらしてしまった。
「嫌なことでもあったんでしょ?」
「…もー忘れた」
愛子が心配な顔していて、その顔に俺は嫌だった気持ちは吹っ飛んだ。
「それより明日のデートだな」
俺はそう言った。
次の日
普段ジャージしか着ないような男がワイシャツの中にTシャツに黒いズボンとまぁデートには大丈夫そうな服を着て家を出た。
待ち合わせで愛子はフリフリのスカートに頭にリボンをつけた可愛らしい格好をして日傘をさしていた。
ふと見ると女の2人組がスマホを愛子に向けて明らかに許可を取らずに写真を撮ろうとしていた。
「俺の女を何勝手に撮ろうとしてんだよ?」
俺が睨みつけるとそそくさと謝りながら逃げていった。
そんなことなら最初からやらない方がいいのにな。
「待ったか?」
「そんなに」
愛子に声をかけて愛子も俺に腕を絡めてきた。
愛子はロリィタファッションというのが好きで、こういったフリフリファッションが好きらしい。
愛子がこういう格好してるのを気にする奴もたまにいる。
しかし、なんで気にするのか?それが俺には理解が出来ない。
目立つし見つかりやすくていいと思うし。
それに、愛子が着るとより一層の可愛くなって良いとさえおもっているし。
愛子とのデートは、服にお金を使いたい愛子とテニスで部活しかしてなくてお互いに金欠なので、デパートに行って愛子の買い物を見たり、俺の行きつけのスポーツ店に行ったりとそんなんばかりだが、結構楽しい。
愛子が服を選ぶのがいちばんキラキラしていて俺はそれを見るのが結構すきだからだ。
また、愛子はスポーツ店で真剣に選んでる俺を見てめちゃくちゃ好きらしい。
けど、そんなんだからファミレスになってしまうんだが…そこのファミレスの店員さんには顔を覚えてられてるらしく、
「可愛い彼女さんですよね」
「はい!」
と嬉しくて笑いながら答える。
人形みたいな俺の彼女はめちゃくちゃ可愛い。
それをわかってくれる人がいるだけで嬉しい。
けど、男だったら嫉妬してしまうのが俺は男として器が小さいなと少し落ち込む。
「俺がプロになって賞金バンバン稼ぐようになったら服何着でもかってやりたいなぁー」
「そーちゃんと結婚しても自分の服くらい自分で稼ぐもん!」
と俺の言葉にそう言い切った彼女がめちゃくちゃ可愛くてなんか胸がいっぱいになった。
「そーちゃん顔赤くない?」
「愛子見ないで…」
天井に向かって顔を上げて両手で隠した。
可愛すぎる!結婚前提で付き合ってくれてるのかよ!もうー!!ありがとう!
心の中でめちゃくちゃ叫んだ。
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