君の方がブサイクだよ

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第1話

「よっ!ブサイク。今日も来てやったぜぇ~」


そう言って君は椅子に腰を下ろした。


「もう!また、私のことブサイクなんて言って!!

君の方がよっぽどブサイクだよ!!」


私と君は、幼稚園から現在の高校に至るまで、ずっと一緒。

世間で言う、腐れ縁ってやつかな?



中学生くらいまではずっと仲良くして、登下校も遊ぶのも、ご飯を食べるのも一緒にしていて、周りからは夫婦だってよくからかわれたよね。

君は、必死で否定していたけど。



でも、高校生になってからは、名前呼びから、ブサイク呼びに変わった。

初めて聞いたときは、すごくびっくりしたんだからねっ!

会うたび、会うたびブサイク、ブサイク言うから、君のこと避けてたんだから!!



「今日、学校でまた告られちまってよぉ。まぁ、秒で断ったけどな。」


「はい、はい。モテモテで良かったですねぇ~。

ったく、こんな男のどこが良いんだか......」


「今、俺のことディスったろ。絶対ディスった。俺の勘がそう言ってる!」


「う......バレたか。そ、その話は一旦止めて、次行こ!次!」


「そういや、お前の友達もお前と会えるのが待ち遠しいってよ。」


「私も早く会いたいよぉぉ~!他になんて言ってた?

LINEばっかりで全然会えてないから、さみしい.........」


「だからさ、早く元気になってくれよっ.........

早く目を覚まして、そのブサイクな顔を見せてくれよっっ!!」



あ~!まぁたブサイクな顔してるでしょ。見えて無くても分かるんだからね!!


君も大概ブサイクだったからね!

すれ違うたび、ブサイクブサイク言う君の顔もブサイクだった。

私が親と不仲でお見舞いに来てくれないのを激怒して怒ってくれたときの顔もブサイクだった。

君がお見舞いのたびに自分のことを自慢してくる顔もブサイク。

君が私の容態を聞いて泣いている...........かっ......おもブサイクだっ........た。



もっ......と....笑ってる格好いい姿を見せてよ。

そうじゃない......と、こっちまでブサイクな顔になっちゃうっっっ......


もっと生きたかったっ!!もっと恋愛もしてみたかった!!

もっと......もっともっとしたいこともいっぱいあった。

でも、それをかなえるのは難しいみたい。


だから、私のことはもう忘れて....幸せになってほしい。

人をこんなにも幸せにしてくる人だからっ..........




「お前と共に生きれない人生なんて、考えれない!!!」







その声が聞こえた瞬間、私の唇に彼の唇が重なった。







ファーストキスは、私からするって決めてたのにぃぃぃぃぃぃ!!!





そう叫んだ瞬間、目に入ったのは、泣きながらキス顔をしているブサイクな君だった。














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