第3話、ソウハルがどうして生きているのかまだ不思議でしかたなかった
ソウハルはワンルームアパートに引っ越したものの、街へ出てもソウハルに挑戦するものが現れなくなり、収入が不安定なだけに一抹の不安を感じていた。
そんなソウハルだったが、週2回会館に集まってカズヒコ、ケイイチ、ダイスケ、アツオと5人で将棋をするのは楽しかった。5人で将棋をする際、大きな賭けはしなかったもの昼食代を御馳走する程度の賭け将棋はよくやった。
ソウハルと将棋の対戦をする際、みんな様々なハンディをつけて将棋をやったが、それでもソウハルには勝てなかった。
カズヒコ「やっぱり聡ちゃんには全く歯が立たないよ」
ケイイチ「玉と歩だけなら勝てるんだけどな」
ソウハル「初心者じゃないんだからそれは勝負にならないよ」
ダイスケ「ケイイチさんも初段クラスはあるんだから聡ちゃんとやるならせいぜい6枚落ちぐらいまでだよ」
ソウハル「ケイチャンに2枚落ちでなんとか勝ってるけど、6枚落ちはちょっときついな」
アツオ「聡ちゃんの強さは別格としてもダイちゃんが三段クラスで後はみんな初段クラスだからダイちゃん以外は2枚落ちが妥当だよね」
そんな感じで5人は聡ちゃんにチャレンジするような感じで将棋を指しながら、いろいろな雑談をして楽しいひと時を過ごした。
カズヒコ「それにしてもいまだに聡ちゃんと話しているのが信じられないんだよな」
ダイスケ「本当に信じられないよ」
ケイイチ「本当に10年前この会館で将棋を一緒にした聡ちゃんなの?」
ソウハル「何言ってるんだい。当り前さ」
アツオ「本当に夢でも見ているようだよ」
カズヒコ「聡ちゃん、どうやって自分がこの会館に戻ってきたのか本当に覚えていないの?」
ソウハル「う~ん、なんかお墓にいたのは覚えてるよ、お墓にいて家に帰ろうと思って家にいったら、家が無くなっていてそれで会館にきたんだよ」
ダイスケ「お墓にいたのは確かなんだね」
ソウハル「ああ、間違いないよ」
アツオ「そういえばあの日は地震があったよね」
ケイイチ「うん、あったあった」
カズヒコ「聡ちゃん、地震があったのは知っている」
ソウハル「いや、知らんよ」
ダイスケ「てことは、ひょっとしたら地震があった時は、まだ聡ちゃん地上にはいなかったんじゃないの?」
ケイイチ「あのバカでかい地震なら地上にいたら誰だってわかるよな」
アツオ「そういえば前日、僕たち4人で聡ちゃんのお墓にいった時、お墓が動いたよね」
カズヒコ「確かに。僕がみんなにお墓が動かなかったかいっていったよね」
ダイスケ「僕もハッキリお墓が動いたのを見てゾッとしたよ」
アツオ「今から聡ちゃんのいたお墓に5人でいってみようよ」
ケイイチ「もし、本当に聡ちゃんがお墓から出てきたんだったらいってみる価値はあるよな」
ソウハル「そういわれてみると確かに僕がお墓にいたときお墓が崩れていたような気がする」
ダイスケ「やっぱり聡ちゃんがお墓から出てきたんだ」
カズヒコ「とにかく確かめに行こう」
5人はダイスケの墓のあったお墓がどうなっているのかを確かめにいった(続)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます