第2話事実

その日はそのまま下校となった。学年1うるさいと言われているクラスだが、今日は誰も口を開かなかった。

「嘘だろ」家に帰って最初に出た言葉がこれだった。杉本が死んだなんてそんな訳ない。クラスで1番人気。彼女に告白して、振られた人が何人居たか。僕たちのクラスのムードメーカーで、よく言えば明るく、あえて悪く言うならば少しうるさい。そんな彼女が死んだはずない。明日にはケロッと学校に来て「びっくりした?」って笑いながら教室に入ってくるに決まってる。しかしふとテレビをつけた時それは疑いから確信を持った事実となった。テレビには殺人事件の文字と杉本咲という文字があった。他にも文字はあっただろうが頭が真っ白になり何も分からなかった。僕はすぐにテレビの電源を切り、自室でうずくまった。嘘だ。そんな訳ない。同姓同名の誰かだ。だけどもし本当なら......

「長谷川くん」

彼女の声が僕の頭の中で流れた。その途端涙が溢れた。

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