ゴブリンは能力を把握します
予定組み直し。
お願いもあるのだしさっさとダンジョン攻略と行きたいところであるがレビスの能力を把握することが優先となった。
幸いにしてアイアンテールウィーゼルを倒してドロップした金属のカケラがあった。
そうしたものも形を変えたりできるのでやはり金属を操る力で間違いがない。
色々と試して分かったことがある。
金属を操って形を変えられるのだけどそれには魔力を消費する。
イメージだけでも変えられるし手などで作りたい形に近づくように変形させていくこともできる。
魔力の消費だけでいえばイメージだけで変える方が大変のようだ。
より精密な形にする方が難しくて魔力を使い、単純な形にするなら意外と消費は少ない。
「何作ったの?」
「ドゥゼア」
「ほー、似てるね!」
練習がてらレビスは謎のドゥゼア像を作ったりもしていた。
そうしたセンスもあるようで意外と上手いものだった。
さらには面白いのが一度形を変えたことがある金属と手をつけたことがない金属では一度変えたことがある金属の方が素早く魔力の消費も少なく形を変えられた。
レビスの魔力が馴染んでいるとでもいうのか一度魔力を与えて変化をさせた方が2回目以降は楽に変えられるのである。
魔力不足にもなりながら能力を使って出来ることや限界を探り探り見極めていく。
段々とレビスの方も能力に慣れてきて魔力の消費も少なく能力を駆使して金属の形を変えられるようになり、魔力がなくなってきて危ないところが感覚的に分かるようになった。
ただまだ金属の変化スピードは遅い。
アイアンテールウィーゼルの金属の移動は意外と早いのでそれに比べたらまだまだと言わざるを得ない。
戦闘中攻撃と同時に金属の形を変えて不意打ち的に攻撃することはできない。
けれどもっと慣れて、上手く活用していったら非常に強力な能力になりそうだ。
「むはー!
レビスありがとう!」
能力に関しては大きくは把握した。
あとはレビス次第なところはある。
レビスの金属を操る能力はレビスだけでなくドゥゼアたちにとってもお役立ちな能力でもあった。
金属を操って好きな形にできる。
その能力を活かしてドゥゼアは装備を作ることにした。
武器ではなく防具をである。
前々からユリディカが望んでいた。
服や防具など身体をもうちょっと隠せるものが欲しいと。
そこでレビスに金属の形を変えて胸当てっぽく形を作ってもらい、布なども使ってなんちゃって防具を作った。
今度本物の防具を見てもらって金具なんかも再現してもらおうと思うがある程度それっぽくは作れた。
胸当てなんかの防具があれば一度ぐらいは攻撃を防いでくれる。
胸も隠せるし防御力も高まるのでオルケはレビス特製防具に満足していた。
ある程度形も自由自在。
ドゥゼアも胸当てや手甲を作ってもらって装備した。
見た目には遊びのない無骨な防具になるが大事なのはちゃんと守れることなので全くそこらへんには問題がない。
レビスもドゥゼアを真似して防具を身につけた。
それに加えて使う可能性があるかもしれないのでレビスは金属を持っておく必要性が出てきた。
なのでレビスはリング状にした金属を手首足首に付けて持っていくことにした。
多少体は重たくなってしまうけれど金属を持っておけば役立つことが絶対にあるはずだ。
「うん……まあこれぐらいかな」
一度顔を出したからか水の精霊は頭だけを出してドゥゼアたちの様子をうかがっていたりする。
早くと言われたわけではないがなんとなく無言の圧力のようなものを感じてしまう。
大体レビスの能力も確認したし装備も整った。
またダンジョンに挑む時が来たなとドゥゼアは思った。
ちなみに水の宝玉はレビスの槍の形を少し変えて槍に組み込むことにした。
「にしても完全に同化したな……」
レビスの耳に触れるドゥゼア。
レビスが顔を赤くして耳をぴこぴこと動かしている。
魔道具のイヤリングはいつの間にか完全にレビスの耳に同化していた。
金具で取り付けていたので外せるようになっていたはずなのにもう取り外すことができなくなっていた。
よほどのことがなければ取り外すこともないのでいいだろうけどこれもまた不思議である。
いわゆる帰属型と呼ばれる使用所有者しか使えないタイプの魔道具であったのかもしれない。
「これは便利な能力だな。
ほら、明日からまた戦いになるし体力つけておけ」
「うん、ありがとう」
ついでにレビスに鉄串も作ってもらった。
一々適当な木の棒探して肉を焼くの面倒だったが丈夫でしっかりと肉を焼くことができる鉄串はありがたい。
ドゥゼアはレビスに鉄串に刺して焼いた肉を渡す。
ここまでは安全な環境で能力を確かめたが戦闘で能力を使うとまた違うかもしれない。
肉を食べ水を飲んで、ゆっくりと眠って体を休めてダンジョンに備えることにした。
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