シン・迎撃のワクチン

しおとれもん

第1話 さらば庄屋三咲

大学の正門に着き、既に車とバイクが一台、駐車していた。

 礼子の車と三咲のバイクだった。

正門は既に開いていてラボのある平屋校舎の前で棒立ちの二人を見つけた!

「どうしたっ?」声を限りに叫んだ!

しかし届かない!足りない距離を走って補った!

 左足が重い!右の振り出しが泥濘に取られる!

二日前の秋雨で降りしきる大雨が地上に溜まって泥濘んだせいだった。

 杖を使いたい衝動に駆られなんとか三咲の背中に辿り着いた!

メタセコイアの根本に凭れて三咲を観た時の痩せた背中が巾広く思えたのは!

肩甲骨の下まである三咲のロングストレートが下から上へ右から左へフワッ・・・と、舞い上がったと思ったら頭髪と全数のエイリアンが三咲を離れ、それは一瞬の事だった!

 スキンヘッド? いやロングストレート? いやスキンヘッド! になった刹那!

空中へ舞い上がった! 

 次に三咲のスキンヘッドがボコボコと音を立てて歪んで凹凸が頻繁に形成されていた!

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